No.515 '03/8/8

またもや台風です!


NHK全国学校音楽コンクール「山口県コンクール」の審査員の依頼を受けて7日徳山へ。
来る前から台風の進路が心配だったのですが、来ましたね。
どうもこの1〜2年台風に好かれているというか、私が招いているというか、はたまた誰かが呼んでいるというか・・・・・。(笑)
私の行く先々を虎視眈々狙っているかのようで不気味ではあるのですが、こうも続くと少し面白がってしまう気持もあります。(被害やその対策に当たられている方々には軽率な言葉で申しわけありません)

コンクールの第一日目(7日、周南市文化会館大ホール)は無事終えることができました。
「中学校・高等学校の部」だったのですが、審査員の控え室ではもっぱら台風状況の話。
なんとか逸れてもらってコンクールは済ませたいねということだったですね。
中止なんてことになったら大変です。私や他の審査員の先生方のスケジュールが心配ですし、ホールやスタッフの調整もそう簡単ではないですからね。
それに出場する生徒さんや関係者にとってもその影響は大です。
そんなことを思いながら13校の中学校(これはきつかったですね)、3校の高校の審査です。
審査発表、表彰式を終え、控え室に戻り、指導者の方々に対する講評も済ませホッと安堵の胸をなでおろします。

ホテルに入り、その後用意して下さった「食事会」での開口一番。
放送部長の宇佐見さんから「明日は中止にします」との言葉、「ああ、来たか!」と私です。
食事もそこそこに宇佐見さんをはじめスタッフは関係者への中止の対応におおわらわ。
それを見ながら「スタッフはたいへんだなぁ」とつくづく思いましたね。

ということで、二日目の「小学校の部」は中止。
変更日が決まり27日となりました。(何とか私のスケジュールも調整してお引き受けしました)
スタッフとの会話です。
「27日が楽しみですね」
「もしまた台風が来たら・・・・・台風を呼ぶ人だということが確定的ですね」
「・・・・・・・」
もう、その通りですね。
27日が怖〜いというか、ちょっと楽しみでもある(不謹慎!)移動になりそうです。

コンクールの感想。
コンクールで音楽を競う、順位をつけなければならないという意味においては総体的に「発声」の習得が必要と感じました。
響きの無い地声が聞こえ、ピッチも定まりません。
響きの作り方に統一性がないのですね。生徒達もそのことには無頓着のように感じました。
音楽的に面白い箇所での<くずれ>は興醒めです。
世代的にも、身体的にも発声習得への過程は問題も多いかと思いますが、このあたりの問題を解決しないことにはコーラスの楽しさも体験できないのではないかと思います。
現場の先生方の苦労を察しながらも是非取り組んでいただきたいと願うばかりです。
しかし、音楽を楽しんでいる生徒達の溌剌たる姿も見せていただきました。
体を揺らし、体いっぱいに表現しようとする生徒達を見、ちょっと感動する私です。
一人一人の自主的なアプローチによるアンサンブル力の向上も印象的でした。
特に、残念ながら金賞を逃したのですが、高校の部に出場した山口県立山口高等学校の演奏には感動してしまいました。
不覚にも涙してしまった私です。(コンクールで涙というのは初めてかもしれないですね)
指揮をするのは一年生。まぁお世辞にも「上手い」とは言えないのですが、一生懸命振っています。
それを助けたいという意識なのか、あるいは<だからこそ>ということなのか、歌う生徒達の集中力、緊張感はとても素晴らしいアンサンブルを生み出していたと思います。
男声3人(!)による混声四部。
しかし、女声たち(人数を数えるを忘れました。そう多くはないものの男声の倍以上はいたと思うのですが)に負けてはいません。
響きのバランスが取れているのです。
立ち上がりの良いイントネーション、明るくバランスの取れたその響きによる生き生きとした歌唱は私の胸に迫りましたね。
音楽の持つ感動とはこういうことが根っこなのかもしれないと思う私です。
「同好会」の合唱と聞きました。
彼らにこれからもずっと合唱を続けていって欲しいと願っています。

また新しい出会いがありました。
台風とも出会いそうでしたが。(笑)

コンクール二日目の予定であった今日(8日)、一目散に大阪に帰ってきました。
混乱もなく、通常運転の新幹線です。
その車中で書いています。
変更された27日を楽しみにしましょう。
小学生の演奏に期待です。
心して出掛けることにします。
もちろん台風をお供につけずにです。(笑)

No.515 '03/8/8「またもや台風です!」終わり