No.530 '03/10/31

「OCM式日本語50音」発音


以前から計画中であった「日本語の発音法」をまとめました。
不思議と思われるかも知れませんが、我が国には国の「発音規準」がないようです。
個人的な研究とする書物の中には、ためになる労作の「発音法」はいろいろあるのですが、規準となる国としての指針が無いのですね。

昔、絵を見ながら発音練習したことを覚えています。
その絵は「あ・い・う・え・お」と言ったときの口の形が描かれていました。
大きく開いた口の「あ」、横に引っ張られた「い」など、それらを真似て発音していました。
それに何の疑問も持たずに来たんですね。

しかし、「発音」とは口の形だけで決まるものではありません。
それだけではなく、舌の位置とその動き、口の中の容積と響く場所といったものがもっと大切なんですね。
それをきちんと規準として指定されていなければならないわけです。

何となく発音している、それが一般的です。
もちろん、地域的な特色のある発音(方言)は有ってしかるべきなのですが、標準となる発音はやはりなければなりません。
英語やドイツ語などはその規準があります。

合唱音楽に係わって一番その必要性を感じていました。
はっきりと解る言葉。
歌詞の意味内容が伝わる発音。
それらの追求だったのですが、音楽である以上そこに「美しい響き」の要素を加えなくてはならないところに悩みがありました。
日本語ってあまり音楽的な言語ではありませんね。
ここでいう「音楽的」というのは少し気を付けて使わなくてはならないのですが、いわゆる西洋流の「流れるような歌」ということではやはり余りむいてはいないように思います。

ここに至って、歌における日本語の発音に関する試案を公開することにしました。
「OCM式日本語50音」なるものです。
私の演奏ではこれが規準となります。
言葉もクリアーとなり、音楽的な響きも併せ持つ、これを目指しての発音法です。
幾つかはまだ課題も残っているのですが、一応の成果は示せた、ということでここに公開させて頂きます。

母国語(日本語)による美しい響きを持った明澄でクリアーな言葉の発音。
それが私の願いです。
私たちが誇れる「我が国の音楽」の演奏。
一方向を示すものになればと願っています。

No.530 '03/10/31「「OCM式日本語50音」発音」終わり