No.10 '03/8/29
それでは順追って書いていくことにしましょう。
練習時における幾つかのチェックポイントです。
No.10 '03/8/29「音楽作りのポイント」終わり
私が合唱の練習時に行っている「音楽作りのポイント」、あるいは秘訣といったものをここに公開します。
先ず、音楽作りの基本はスコアを見ることから始めます。
「見る」と言うことは、まだここでは「読む」ことではありません。
絵画を鑑賞するかのように、全体を絵として眺めてみることです。音符が密集しているところとそうでないところのコントラストを見つめます。旋律線のうねりがどんな形をとっているか眺めるのです。良い作品ほど構図的にも面白いものです。この最も優れたものの例の一つとしてバッハの音楽があげられます。
彼のスコアからは絵画的な面白さ、素晴らしさが溢れています。一度手にとってこの観点から見ていただくことをお奨めします。
作品の全体を大雑把に掴むことが大切です。この時、作品の特徴を知ることになります。
レコードやCDのような録音を参考にしている人をよく見かけますが、この件に関しては、私はこの初めてスコアを開いたときと、スコアを勉強し終わった時に聴く二回を推奨します。(聴いて覚えるのはあまり感心しません)
勿論、この二回というのは厳密な回数ではありません。何回聴くかではなく、どの機会に聴くかの問題です。
さて、こういった勉強法の本質は大切です。すなわち、始めから細かい所にこだわりながら進めていくのではなく、大きく捉えることから始め、小さな項目へ進めていく。そしてその行程がいったん終わると、今度は逆に小さな項目がどのように大きな項目と関わっているかを考えながら全体のイメージを仕上げとして構築する。これが大事です。
上の二つは相互に行います。
以上のことをチェックして音楽作りをすればすっきりとした安定した演奏となるでしょう。
後は合唱団と指揮者の個性で味付けをします。勝負は決まった、といったところでしょう。