第13回

クラシックはつまらない

皆さんはどうしてクラシック音楽を聴かれるようになったのでしょうか?
いつもクラシック音楽がかかっていたので意識せずに聴くようになっていたとか、ある時突然にクラシックが聴きたくなって、それ以来好きになってしまった、といったことでしょうか?
ピアノを習っていたとか、ヴァイオリンを習っていたからという人もいるかもしれませんね。
特に最近は、吹奏楽や、アマチュアオケの人達が増えたことによって、関連する演奏会はにぎわいを見せていると聞きます。
多くの若者達がジャンルを問わず様々な音楽を聴くといったこともよく耳にするのですが、どうでしょう?
確かに今の若い世代では、昔と比べてクラシック音楽をこだわりや偏見なく聴くようになったと感じることもあるのですが、言われているほどにはまだまだその層は厚くはありません。
もしかすると、ここ数年また減少しているかもしれませんね。
クラシックって面白いでしょうか?
正直言って、最近私にとって面白い演奏に出会う機会が少なくなってきているように思います。
高度な技術に驚いたり、立派な演奏に感心したり、普段味わえない緊張感を味わったりすることはあっても、ワクワクしたり、ドキドキしたり、感情が高まって興奮するといった演奏に出会うことが少なくなっています。

ワクワク、ドキドキは理屈無しの面白さです。
面白味が増せばだんだん好きになっていくものです。
クラシック音楽もこのワクワク、ドキドキがもっとあってもいいと思うのですが。

私は”ビートルズ世代です”と言ってよいでしょう。
中学時代はビートルズを聴いて毎日を過ごしました。と同時に「出船」や「荒城の月」を歌うのも大好きでした。その時代に流行っていたポップスも大好きでよく歌ったものです。
変と思われるかもしれませんが、声楽を習っていた時など、ソルフェージュ用の練習曲も大好きでしたね。
勿論、いわゆるクラシックの名曲のフレーズを奏しては悦に入っていました。
思い返すと私もジャンルを問わずどんな音楽も聴いていましたね。
そして気持ちはいつもワクワクしていたように思います。どのジャンルの音楽と接していてもです。
私は「音楽そのもの」が好きだったのだと思います。

自分の想いが自由になる、”自由に羽ばたける”ということ。これが「好き」だという根っこ。
心の動きの波長と合って、音楽と心が一体となる。
波長の増幅。そして無限の広がり。

制約があるのは苦しいです。枠があるのはつまらないですね。自由があるというのはとっても面白くなるということ。
面白くないクラシック音楽の演奏が多いです。これではクラシックを好きにはなれません。
「面白い演奏」を探しましょう。クラシック音楽を「面白く」しましょう。
これがクラシックを取り戻す手段、身近にクラシックを引き寄せる手段なのです。