第36回('98/6/16)

「結婚4年子供なし」とは?

ここのところ音楽には関係ない話題が続いています。
でも私にとってはとても気になる問題ばかりです。そして、私が目指す音楽はこれらを無視しては語れないものだと思っているんです。
「現在」を背景にしての演奏こそ音楽の本質なんだと思っているんです。

「普遍的な芸術性」を求めての音楽活動です。
でもそこにどうしても「人間」を求めて、私の演奏は<少し生臭く>なってしまうのかもしれません。
時々その結果としての演奏に「落ち込む」こともあるのですが、なかなか<悟りを得た芸術家>にはなれないようですね。

先日、新聞に<「結婚4年子供なし」4割>という厚生省調査の記事が書かれていました。
「女性の就業化が進む一方で、子育て支援の社会的な環境が整っていないため、1980年代後半以降に結婚した夫婦は、子供をもつ時期が遅れている」という内容です。
1)結婚後4年たっても子供を持たない夫婦が増加。
2)出産を機に退職をするのが主流。
3)共働きを続けながら子供を育てている夫婦の七割がどちらかの親を頼っている。

この調査によって現在の夫婦像も浮かび上がらせています。
最近の結婚ほど交際期間が長い。(3、4年)
すなわち初婚年齢が高いそうです。(男性28.4才、女性26.1才)
結婚4年以下の女性は3人に一人が仕事を続けているのですが、5年以上になると4人に一人の割合に減っているそうです。
「子育てにお金がかかる」「教育にお金がかかる」「家が狭い」などの意見を述べ、その理由によって子供を持つことに二の足を踏んでいるのですが、結果的には結婚5年以上の女性は<頑張って>この悪条件にもかかわらず子供を産み育てている、ということなのだそうです。(結果、仕事は続けられなく、辞めていく)

安心して子供を産み、育てられる環境。
その環境を整えるということは国家として当然の義務だと思うのですね。
しかし、現状は女性にとってとても厳しい様々な壁が立ちはだかっています。
「仕事を続けたい」と思っている女性も、現実的には子供を持ったことによって、仕事から離れてしまうような環境の中に自ら入ってしまわざるを得なくなっているのですね。

時代を受け継ぐ子供達。
その子供達にはよりよい環境の中でこそ育って欲しいと思っています。
それは我々の大人の義務です。
結局、「よりよい環境」とは、幸福を得るために<戦う>我々の姿の中にこそある、ということなのかもしれません。

第36回「<結婚4年子供なし>とは?」この項終わり。