第39回('98/9/10)

鳶目兎耳・是非曲直(2)「国民の豊かさ」

「えんもくとじ・ぜひきょくちょく」と読みます。
「日記」で連載と思っていたのですが、「マイヌング」に移すことにしました。

今朝の朝日新聞(9月10日朝刊 3面)に「<国民の豊かさ>日本は8位後退」という国連の報告書の記事が掲載されています。
人間の進歩を国民所得だけではなく、教育や生活、健康状態などから総合的に判断した結果、
カナダ、フランス、ノルウェー、アメリカという順番になったそうです。
カナダは5年連続一位だそうです。
そして日本といえば昨年の7位から8位に後退したんですって。

この他にこの報告書には
男女間の公平さを示す「ジェンダー(性)開発指数」と、そして政治経済活動への女性進出状況を示す「ジェンダー・エンパワーメント測定」の結果も報告されています。

「ジェンダー(性)開発指数」では、
カナダ、ノルウェー、スウェーデンが上位、アメリカは6位、日本は13位。

「ジェンダー・エンパワーメント測定」では、
スウェーデンが一位(国会議席の4割、専門・技術職の約6割を女性が占める)、二位がデンマーク、アメリカは11位、日本は38位。

どうでしょう。
記事の読み方の違いがあるかも知れませんし、報告書の詳細を見たわけではないので全面的にこの記事だけでどうこういうのは気を付けなければならないでしょうが、私は実感として「そうなんだろう」と納得しています。
何もかも欧米を見習え、なんて思っていませんが、人間を大事にすることのバランスはやはり優れていると思っています。
日本はどこか考え方にアンバランスを感じますね。
昨今の新聞をにぎわしている事件など持ち出してくるまでもなく、この日本はどこか病んでいます。
他の国でも似たり寄ったりの事件もあるでしょうが、本質的なところで「いい加減さ」「幼児性」を残す日本とは違うと思うことしきりです。

音楽活動を通じて痛切に思うのは「女性たちの意識」でした。
よく誤解されて困るのですが、「女性の地位向上」「自立」「共生」を願っての私の発言が女性の方達から「女性批判」と受け取られることです。
「女性の意識変革」が「社会の成熟」につながると私など思うのですが、これがまだまだ理解してもらえないこともあるんですね。

「楽しく生活したい」
「充実した生活」がいいですね。
で、それが「生きがい」に通じればなおいいと私は思うわけです。
やっぱり今日も「楽しく」、男性と女性と共に協力し合って創造する音楽の世界からまず実践です。

第39回「鳶目兎耳・是非曲直(2)「国民の豊かさ」」この項終わり。