茨木市立キリシタン遺物史料館


2000年6月18日に茨木市立キリシタン遺物資料館に行って来ました。
その時の訪問記です。

まず場所ですが、思っていたより、相当遠かったです。
我が家(京都市左京区)から、たっぷり二時間半ほどかかりました。

阪急茨木駅から阪急バスに乗るのですが、一時間に一本くらいしかない!しかもメッチャ遠い!運賃が490円!

で最寄りバス停の千提寺口に着いたのですが、こっからも遠い‥‥。歩いて15分近く。霧の中の山道でしたからすごく心細かったです。

着いてみると、そこは普通の家をちょっと改装した程度のそんなに大きくない建物でした。
中に入ってみても、その印象は変わらず、内装を変更した家、という感じでした。

入場者記帳書みたいな物を見ると、結構たくさんの人が訪れていました。その時は同志社神学部の学生が訪れていたようです。

で肝心の展示の内容ですが‥‥行って良かったです。はい。

牛に乗った天神像。これは天神像をはずすと牛の背中に十字が刻まれており、また牛の中は空洞で、メダル等を隠せるようになっています。
キリスト磔刑木像。十字架無しの磔刑像は珍しく、これを隠すための銅筒も展示されていました。
他にもロザリオ十五玄義図、『どちりな・きりしたん』の複製の国字本・ローマ字本、ルイス・デ・グラナダの著書の邦訳『ぎやとぺかどる(罪人を善に導くの儀なり)』、日本人の手によるマリア像、他様々なメダイやキリシタン書などが展示されていました。

しかし今回最も良かったのは、この辺りの潜伏キリシタンの事を少しでも知ることが出来た事です。
この辺りは元高山右近の領地で、キリシタンが多く、禁教令後も潜伏キリシタンがいたことを知ってはいましたが、その内容は全く知りませんでした。

大正期に千提寺の山中でキリシタン墓碑が見つかるまで、この地方に潜伏キリシタンがいたことはわかっていませんでした。墓碑が見つかると、潜伏していたキリシタンも見つかり、禁教令が撤廃されたことを知らなかった彼らは、最初恐れていましたが、後日「あべまりあ」などのオラショを教えてくれたそうです。
資料館にはそのオラショが壁に掲げてありました。長崎地方の伝承されていたオラショと比べると明らかに転訛の仕方が違っています。大変興味深いものでした。
他にも、この地方の潜伏キリシタンは、風呂に入る際、鞭で自らを打つこと(その鞭が展示されていました)、四旬節の頃には断食することなどがわかりました。
千提寺やその付近から発見されたキリシタン遺物が展示の中心でした。

内容的には十分満足しましたが、いかんせん数が少なく、滞在したのはわずか20分ほどでした(往復には4時間以上かかった‥‥)。
時間と交通費がかかりすぎるので、よっぽど興味がないとしんどいでしょう。
しかし何かのついでがあれば行ってみるのも面白いかも知れません。車で行ければなおグッドです。

ちなみにJR茨木と阪急茨木、千里中央から阪急バスで行くことが出来ます。いずれも本数は少ないです。
千提寺口下車徒歩約15分です。入場料は無料です。

ホームページもあります。こちらです。