八重山毎日新聞社コラム
Jアラート(全国瞬時警報システム)が鳴りましたね。
【掲載:2023/06/08(木曜日)】
やいま千思万想(第240回)
「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一
【「恐怖」「不安」が人間を変える 疑心暗鬼を超える価値観を】
大阪で私も経験したことがあります。それはテストだったように思います。。
でも、それが解っていても驚いたものです。実際どう何が起こっているのか知らなければ、鳴った時はオロオロするだけでした。。
ミサイルが飛んで来る、Jアラートが鳴る!それは限りなく恐怖でしかありません。どこに墜ちてくるかその時は解らないのですから。。
「鳴った場合、もし有事が起これば」などを問わないで、「鳴らないように、有事が起こらないように」すれば良いのです。。
という徹底した論議には何故ならないのでしょう。。
全ては疑心暗鬼、不安、恐れ、不信から来る対処法でしょう。。
これは人間社会で繰り返し起こっていて「戦争」へと向かわせた原因であることは歴史を見れば自明です。
経済が根底にありましょう。人種差別に依っていることもありましょうが、その裏には経済が絡んでいます。
。
現在が「資本主義」である限り、避けることのできない社会体制です。。
領土が広い国、人口が多い国、経済力が高い国、軍事力が強い国、これは世界をリードする「大国」ということ。。
それらが後ろ盾、そして不可避の「戦争」です。
日本は世界史的に見れば特異な国。大陸から隔てられた島国。。
内乱があったけれど他国との争いはとても少ない(古い歴史には海を渡っての闘いはしています)。。
他国との通商が断絶したのは1623年イギリス、1624年スペイン、そして1633年以降鎖国令が出され、一般的には1854年まで続いたとされます。
(オランダと中国とは通行が許されていた)。
明治に入り日露戦争に勝ち、その後のいわゆる第一次世界大戦にも勝ち、軍事大国として歩み、第二次世界大戦へと突っ走る。そして原爆、敗戦。。
しかし、希有にも本土決戦は避けられ(沖縄は終戦への見捨てられた盾となり)、敗戦後アメリカの主導のもと今日の「日本」が形成された。。
命をかけての所業。不謹慎に言っては良くないのですが、私には大人の子どものような「戦争ごっこ」に見える。。
強く、強く、もっと強く。限りない力比べの連鎖、「軍備拡張競争」。。
攻める、守るを両者はお互い疑心暗鬼で論じる。大義名分を探して殺し合い。。
やはりこれはまだまだ幼い「子どもの知恵、遊び事、ごっこ」。
今回の打ち上げの軌跡を探れば、本土ではなく先島上空をターゲットとして情報収集を目論んだ。。
国民の多くは不安、不穏を好まないでしょう。平安を望む。安定した暮らしを求める。だから脅かすモノには攻撃的にもなる。
しかしそうなれば平安・安定は遠のく。Jアラートが鳴った時点でそれは平安とは言えないでしょう。
争うのはそれに依って益する人々が居るから。「怖い」「不安」が人間を変える。
益するなら煽ることもするでしょう。しかし考えれば、不安が人間を鍛えて知恵者とも成り得る。
疑心暗鬼を超える価値観があれば。私は信じます!
この6月に来島の予定でした。
しかし遠退きました。
安心の石垣島は何処に?