八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.208


【掲載:2023/03/05(日)】

音楽旅歩き 第208回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

【何でも〈決め事〉にしないで、個々の知恵に委ねてみれば?】

 大阪府内はもちろんなのですが、最近は京都、名古屋、東京の各地を回ることが多くなりました。
合唱団の練習が目的ですが、訪れる道すがら、感じたり、考え込んでしまうことがそこかしこにあって、面白いというか、その日本的な習性に色々気づかされることがあります。
 先ず一番困っていることがあります。それは新聞にも取り上げられた「エスカレータの並び」について。
石垣島ではその問題は起こらないので取り上げる話ではないのですが、まぁ都会にはそんなこともあるんだ、と読み流してください。
「エスカレータ」、それは自動で動いて上下の階に移動する「動く階段」。それは労力(体力)の軽減に、そして足腰のお悪い方達にとってはとても価値のある機械。
私も腰痛時には大いに利用させてもらいました。しかし、長い歴史を持つこのエスカレータ、健常者には不必要です。
階段の昇り降りは筋力を作るにも骨を鍛えるためにもせっせと歩くべきでしょうね。健康作りには〈歩く〉ことが一番。
それに足腰の上下運動(いわゆるスクワット)を加えれば万全の運動といっても良いでしょう。エスカレータは都会故の問題児のようです。

 ちょっと話が遠回りしましたが、問題点とは?そのエスカレータ、幅がちょうど二列縦隊になれるものなのですが、右側に並ぶのか、左側に並ぶのか?これに困ります。
習慣的なものなのでしょうが、日本の東と西とでは左右並びが逆になっています。不思議です。誰が決めるわけでもなく立っている列が違うのですね。
 まず大阪と東京では逆。行った先でまごつきます。間違えればちょっと照れくさい。そんなことが話題になります。
さてその次は二列縦隊の片側を歩いたり、走ったりする人が出てきました。いかにも「急いでいるのでお先に失礼!」といった具合に。
 よく考えればエスカレータとは一体何の目的で作られたのか?
一層早く移動するため、時間短縮のためにつくられたのでしょうか?まぁ可笑しな話です。
さらに次の問題が生じています。これが今回の一つ目のテーマとなるのですが、

今行われているキャンペーンが〈空いている片側では歩かず、立ち止まって二列縦隊で!〉というもの。

 市が〈エスカレータ利用中に歩かない〉ことを条例化する案を市議会に提出したようです(愛知県名古屋市)。
転倒防止、それが目的です。いろいろ親切に指導していただけるのですね。
でもこれって一人一人が少し考えればそんなに〈決め事〉にしなくも良いと思うのですがどうでしょう?

 悪く取れば〈同調圧力〉とも受け取られると思うのですが。片側を歩かないで二列縦隊で!歩ける人は階段で。それが良いと私は思うのですが・・・・・・。

個々が賢く利用する、これですよね。

 ちょっと二つ目のテーマに移れなくなりました。字数が・・・・・・(笑)。
「マスク」問題です。外す、外さないの〈べき〉問題。まだマスクを外したくない人も居るでしょうに、外す〈べき〉と受け取れる指針を出す。
そんなの個々の知恵に任せる、で良いのではと思うのですが。





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