デジタル教科書、または、電子教科書とは、電子書籍の端末で読むことのできる「教科書」の事を指す。
では、電子書籍の端末、とは何であろうか?既に、候補はある。
「紙とは何か?」現代の人にとっては愚問である。
しかし、1000年前であれば、「紙とは何か?」と聞かれても、多くの人が答えられない。
紙は日常的ではなかった。知識の伝達は、竹簡や木簡、そして何より、口伝で行われていたのであろう。知識の伝達の手段とするには、紙は便利だが、高すぎた。
長い歴史をかけて、人間は「紙」を改良し、大量生産できるように発展してきた。知識の伝達にも使えるように。
電子書籍の端末も、同じ道をたどるであろう。
あまり、眼の前にある電子書籍の端末に、囚われすぎないほうがよいと、私は思う。
文字が一般的になる前は、知識の伝達・学習は、音声で行われていた。また、映像で行われていた。
それに慣れた人は、文字を通じて知識の伝達・学習することが難しい。
実際に現代でも、テレビなどに慣れすぎて、文字を通じて学習することが苦手な人たちがいる。
あれは、その人が怠けているのではなく、「文字を通じて学習する訓練ができていない」だけであろう。
そこで、私が大変興味を持っている命題は
である。今のところ、私はこの命題に対して否定的だ。
(現在市場に出回っている)キーボードを打つという操作は、文字を書くのに比べて大変高度なため、ある種の学習効果を低下させる。
とはいえ、キーボードを打つ、という操作による学習はいくつかの利点がある。たとえば、記録するスピードが速いこと、検索ができること、他者との共有が簡単なこと、など。
現在、知識の伝達は主に、紙を通じて行われている。黒板や白板なども使われるが、これも紙による伝達と本質的には同じである。