デジタル教科書、または、電子教科書とは、電子書籍の端末で読むことのできる「教科書」の事を指す。
では、電子書籍の端末、とは何であろうか?既に、候補はある。
「紙とは何か?」
くだらない疑問と思われるかもしれないが、
この問いについて深く考えていくと、実に多様な世界が広がっている。
紙は、知識を伝えたり、料理に用いられたり、インテリアとして生活を飾ったり、
芸術品に化けたり、生活必需品として用いられたり・・・実に多様な存在。
また、1000年前の人々に「紙とは何か?」と聞いたことを想像する。
そのとき、人類の歴史において、
紙をどう使うかの知識も、紙を作る技術も、紙の品質も、
実に多様に発展してきたことが想像できる。
紙の教科書は、紙が持つたくさんの用途のうちの、ほんの些細な一つ。
電子書籍の端末は、結局、パソコンである。
デジタル教科書という形態は、パソコンが持つたくさんの用途のうちの、ほんの些細な一つになるのだろう。
そして、紙の使用用途が増えるにつれ、
紙も発展し、紙の使われ方も発展したように、
パソコンの使用用途が増えるこの機会(ないし、新しい使用用途を探るこの機会*1)
そう考えると、まだ、電子書籍は、紙の教科書に比べて仰々しすぎる。
まず、重すぎる。
たとえば小学1年生にも電子教科書を配るならば、
現在の小学1年生が手にする教科書うち、
一番重い1冊の重さくらいにはなるべきではないか。
今の小学生に配られる教科書には、重すぎないようにという配慮くらいは入っていると私は思う。
電子書籍の端末も、同じ道をたどるであろう。
あまり、眼の前にある電子書籍の端末に、囚われすぎないほうがよいと、私は思う。
新しいことを始めるときは、古いことも想い起こさなければならないという考えから。