以前、この[[つれづれ]]の「[[指導要領を先へ延ばす]]」で書いたことに関連して、少し書こうと思います。 少なくとも数学において、「今の指導要領は、前の指導要領の切り貼りだ」という批判がなされるのを耳にします。 私も切り貼りでない指導要領の変更には賛成です。切り貼りがゆえに、現在の算数・数学はますますわかりにくくなっていると私は思います。 さて、指導要領の切り貼りをやめて、それを一新するとしましょう。 これを実行に移す上で、私が感じている一番の困難は -教える側の勉強が必要となること です。自分が学んだ枠組み・自分が教え続けた枠組みとは違う枠組みで、物事を教えるのは難しいです。 言い換えれば、自分に教えてくれた先生・教科書・問題集・本などの影響は、自分は知らず知らずのうちに影響を受けていますし、それから先へ行くには、勉強が必要なのです。 だから、既存の数学の指導要領を全く再編成したならば、教える側はかなりの時間を割いて勉強する必要が出てくるのです。 #hr ここで、今後も僕が繰り返し主張するであろう、次の一事を挙げます。 -学校の先生は勉強が必要だということを、社会全体がもっと認識するべきだ 今の社会では、学校の先生は勉強しないといけない、という当たり前の事実に対して、認識が足りないのではないでしょうか? この問題について論ずるには、まだ、僕の力量が足りませんが、3つの側面から1点ずつ、挙げておこうと思います。 --学校は、勉強を教えること以外の要求を、先生に課していないか? --親は、学校の先生に、勉強を教えること以外の要求を、課しすぎていないか? --メディアも、学校の先生にスポットライトを当てるとき、勉強を教えること以外を強調しすぎていないか? #hr 僕は、指導要領が良くなることを願っています。 そのためには「教える側は勉強が必要」とこの文章の前半において書きました。 ところが、その勉強をする時間を、教える側の中心であるべき「学校の先生」は確保できないのが現状なのです。 指導要領を変えるには、学校の先生が勉強しやすい環境を作ることが先決ではないか。 これが、この文章における僕の主張です。