1997/10/28
<明浄女子短期大学学園祭クラシックコンサート>

(今回の担当:Ct (カウンター・テノール)
上田達也

みなさん、こんにちは。カウンターテノールの上田達也です。
10月26日の日曜日、明浄女子短期大学の学園祭に行って来ました。 と、言っても、遊びに行ってきたわけではありません。学園祭のクラシックコンサ ートに招かれたんです。明浄女子短期大学の学園祭で演奏させて頂くのはこれで3 度目です。

コンサートは、『大阪室内弦楽アンサンブル』(我らがチェリスト、大木愛一先生 がご指導されています。)による弦楽合奏と、大阪H.シュッツ室内合唱団による 合唱で構成されています。例年、合唱団の演奏は、音楽史への手引きや、普段お聞 き頂く機会の少ない合唱曲、そして僕たちの大切なレパートリーである、柴田南雄 先生のシアターピースの紹介などをさせて頂いていました。学生さんや先生方も熱 心に聞いて下さるので、僕たちも楽しみにしている演奏会の一つとなっています。

僕も合唱団のメンバーとして歌っていたので、演奏の事はすこし書きにくいので、 舞台から見たお客様の印象を書くことにしましょう。(前々日にあの大きな演奏会 があったとは思えない程の、熱のこもった演奏だった事は確かだと思います。)

先にも書きましたが、このコンサートは、僕たちも本当に楽しみにしています。と いうのも、普段はクラシック、特に合唱曲にはあまり馴染みが無いんだろうなぁ、 と思われる(失礼、根拠の無い偏見かもしれませんね!)学生さんたちが、開演と 同時に大挙して会場に入ってこられるんです。そして、そんな学生さんたちの表情 が、僕たちの演奏が進むに連れて、少しづつ変わって来るんですね。もちろん、皆 さんお年頃の女子学生さんですから、演奏の始まる前から朗らかで明るい表情なん ですが、当間先生のお話と僕たちの演奏とともに、そこにまた違った印象が加わる んです。

そして、大抵最後に柴田先生のシアターピースを演奏するんですが、その時の学生 さんたち(そして先生方も!)の顔といったら・・・目がまん丸になったり、点に なったりしているのが、歌いながら良く判るんですよ。演奏の最後には、必ず大き な拍手を頂きますから、シアターピースに驚きながらも、この音楽を好きになって 頂いているのだと思うのですが。

今年は、前々日のいずみホールでの演奏会の第1部で演奏し、僕たちの新しいレパ ートリーとなった、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーンそしてブラーム スの小品から数曲を前半に演奏しました。後半には、武満徹さんの『うた』から 『翼』と『さようなら』を、また柴田先生の『無限曠野』から抜粋で『裸木』『小 垣内』『大白道』を演奏しました。(生前、柴田先生は抜粋で演奏される事を好ま れなかった、と聞きますが、このコンサートでは、先生を偲び、またシアター・ピ ースを紹介する意味で、演奏させて頂きました。)

少し残念だったのは、例年に比べて、学生さんの姿が少なかったかな、という点で す。でも、今年の学生さんたちも、そして学生さん以外のお客様方も、熱心に聞い て下さいました。当間先生の軽妙で、かつ含蓄のある(ちょっとほめすぎですか? ) お話を交えての僕たちの演奏を聞いて下さる雰囲気が、とても暖かく感じられまし た。もちろん、『大白道』で歩き始めた時の、学生さんたちの顔は・・・期待通り でした!

そしてアンコールには、嘉納昌吉さんの『花』。ちょっと空席の目立つホールでし たが、そんなことは感じさせない、お客様の暖かい拍手に、今年も歌いに来て良か ったなぁ、と感じた僕でした。

『余談・・・ちょっとだけ、舞台裏の暴露話をしましょう。(笑)』

シュッツ合唱団名物に、『キャスター付き旅行鞄』という物があります。飛行機の 乗務員の方が使っておられる、ちょっと小振りの、取っ手付き鞄ですね。演奏旅行 を含めた演奏会が多い合唱団ですので、『このキャスター付き旅行鞄』を使ってい る人が多いのです。2〜30名の行列が、キャスターをガラガラ言わせながら歩く 姿は、なかなか壮観です。

このコンサートの日は、この行列が走りました。

 『がらがらがらがら・・・どどどどっ』

って感じです。JR熊取駅周辺のみなさん、お騒がせして申し訳ありませんでした。

(詳しくお知りになりたい方は、/~tueda/をご覧下さい。(^^;))


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