(今回の担当:BASS.坪沼雪人)
もう一つ、私が入団してすごく感動したのは当間先生の練習の度に話される言葉です。
私は完璧な人間など存在しないと思っていますが、そうなれないまでも、一つの事を極めようとする時に最終的に目標にするのは「完璧さ」だと思うし、それに向かって努力していくうちにある方向に偏ってしまったりする事や時期があるかもしれません。
様々な人生を生きている様々な仕事を持った人達が、一つの「音楽」を創ろうと放つエネルギーを集束しているのは、先生の棒だけではないという事が、この団を創り出す「音楽」がよりまとまったものになっている所以だと思うし、そういう団のありかた、音楽に対する取り組み方等、「もしかして、すっげー最先端いってるかも」と思いはじめた今日この頃です。
入団して2カ月足らずで同行させてもらったドイツ演奏旅行が初舞台で、滅多に出来ない経験や勉強を皆さんと一緒にさせていただいた事は私の人生にとって大きな糧となっていくと思いますが、私は個人的にこれからが勝負だと思っています。
「感動」する事に対して冷めてしまっている現代社会(少なくとも私にはそう見える)で
特に日本人は大勢に流されやすく大衆化し易いと思うのですが、やはりそういう環境が悪いと思うのではなく、だからこそそういう日本人に「感動」する事の大切さや快感を思い出させなければと思います。ホールの響きしかり、起きてこちらに感心を持ってくれている人を感動させるより、寝ている人を起こして感動させ涙まで流させるには相当なエネルギーが入りますが
それができたら、どんな人でも「感動」させられると思うし、私も「感動」できるし、燃えま
す。
<邦人演奏会を終えて>というタイトルなので、演奏した曲の感想を書けば良かったのでしょうが、インターネットもデビューなので、私は私なりに入団してから今までの間に思った事や感じた事を書いてみました。まだまだ書き足りない事はたくさんありますが、またの機会にしたいと思います。
私は長い間楽器をやってきましたが、やはり一番ストレートに心の中に入ってくる音は
人間である限り、声であり「うた」だと思っています。
私は相当しばらくの間死にませんが、それまでの間に出来るだけ沢山の「うた」を
私の「骨のみみ」に響かせられる様に皆さんと歌っていきたいと思います。
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