花を見るのは好きです。あの色はどうして出るのか。不思議な形をしているものもあります。花びらや茎を触ると呼吸が感じられる程です。群れているものもありますが、私はどちらかというとひっそり咲いているものに惹かれます。

しかし知らない花ばかりです。花は好きですが、それにしては知識がなさすぎる私。
花に引き寄せられているのか、私の心情が花を求めているのか、よくわからない時がありますが、花のもつ「生命力に」感動することは共通しています。

星野富弘さんの「詩画集」から花の名を知ったこともしばしば。
最近、また手にとって詩集を読み、「はなきりん」を知りました。
棘(とげ)と花。花は散り、棘が残る。なんだか私の心の奥のよう。・・・・そんな詩でした。
棘がなんだかわかりません。同じところから生(は)えているのに美しい花は散り棘だけが残る。そして胸の奥がチクリと痛い、そう富弘さんは感じます。(星野富弘全詩集一 学研より)


人は哀しいと私は思います。
一生懸命でもうまくいかないことがあり、どんなに思い遣っても心が通じないこともあります。心が固く、閉ざしている時は人の心は見えません。なぜ、固く固執するか。棘とはなんなのか。

人を寄せつけない棘。
自分を守る棘。
近寄るものを威嚇する棘。
棘ばかり。
しかしこの花、また美しく花を咲かせます。また棘を伴いながら。富弘さんと同じく、少し胸の奥がチクリとした私でした。