No.600 '05/10/18

美しくまろやかな塩川サウンド


今年がOCM創立30周年迎えるということで記念の「スペシャルマンスリー・コンサート」を企画しました。
ゲストにヴァイオリストの塩川悠子さんをお迎えしてのコンサートです。

メンバーである木村直子さんの先生というご縁。
合わせるまで少し緊張していた私。
だって、もし音楽性も性格も合わなければ最悪の音楽になってしまいますもの。
出来れば「協奏曲」は信頼関係の濃い中での共演でありたいと強く思っているものですから、実は余り乗り気ではなかったんですね、この話。
期待感は120%、しかし不安も30-40%、初顔合わせ当日で全てが解るんだからとにかく楽しみに、というわけでした。

心配は吹っ飛びました。
こんなに音楽的な流れの中で共演できたのは久しぶりです。
塩川さんにもお話ししたのですが、ちょっと忙しすぎていた私にとってはもう涙が出るほどの憩いと充実の刻でした。
音楽的緊張と愉悦、もうたまりませんでした。(笑)
ここしばらくの「疲れ」が一変に解消しました。

演奏会前日のリハ風景です。

リハーサル

美しい音色にまず心が疼きます。柔らかく、温かいのですが何故か心が疼くのですね。
切なさに通じるのでしょうか?
一種の孤独感に通じるのでしょうか?
いや、これは<求心的な響き>なんだと私が感じた時は既に真の意味で私たちは共演者となっていました。
音楽を通じて心が触れ合ったといっていいでしょう。(バッハが、そしてモーツァルトがそうさせてくれたということですが)

Bach_2vn

Bach_2vn

演奏後アップ

練習を通じて、その笑顔に音楽に対する愛情の深さを見ます。
時折メンバーに厳しい言葉も発せられるのですが(誤解がないように書いておかなければなりませんね。塩川さんのアドヴァイスは実に具体的で、的確で、音楽的です。音楽がより良くなるようにと思う一念からの発言です)、この笑顔で言われるものですから、言われたほうもホットな気持ちで聞けるんですね。(笑)

打ち上げでの写真です。
皆から言われました。よく似ていると。
笑い顔が似ているというのですが、どうでしょう、似ています?

打ち上げ

ということで私たちはここで「兄弟の契り」を結ぶことになりました。(笑)
もちろん塩川さんが<姉>で私が<弟>です。(笑)
これは塩川さんがいきなり「兄弟だ!」と仰られたことに端を発した事態だったのですが、実は唐突なことで少しドギマギしながらも私が一番喜んでいました。(笑)
イタリアのフィレンツェに新しい<姉>ができたわけです。(塩川さんには大阪に<弟>ができたのですね)(笑)

塩川さんも協奏曲は信頼できる人たちと、との思いが強い方なのですが、この打ち上げの席で「SCO」のメンバーの居る中で次回の演奏会の企画が決まりました。
07年、ベートーヴェンのコンチェルトを一緒にというものです。
曲は私の提案だったのですが塩川さんも快諾。
今から本当に楽しみです。



No.600 '05/10/18「美しくまろやかな塩川サウンド」終わり