No.644 '07/11/02

「宮澤賢治」を終えました


『もしも楽器がなかったら
いゝかおまえはおれの弟子なのだ
ちからのかぎり
そらいっぱいの
光でできたパイプオルガンを弾くがいゝ』
これは「宮澤賢治」の「告別」という詩の最後のフレーズなのですが、この「光でできたパイプオルガン」というのが凄く気に入っていました。
頭から離れずにいた時、奥琵琶湖での合宿(20日〜21日)でこの「光」に出会ったのでした。
そう感じたのでした。
少し涙が出そうで、感傷的になった自分に驚きました。

いましばらくお待ち下さい

自分がオルガンを弾いていたからかもしれませんが、オルガンという楽器、音色がこの詩とピッタリするのが良く解るのですね。体感できるのです。
この景色から本番(10月27日)へと突入しました。



下の写真は24日に行われた練習風景です。

いましばらくお待ち下さい

いましばらくお待ち下さい

初演二つを書いて下さった千原英喜氏の立ち会いのもとで練習。
練習にも熱が入ります。
両作品(「祭日」「種山ヶ原の夜の歌」〔異伝・原体剣舞連〕)はイメージ豊かに演じなければならない作品。
合唱団に任されているところ大なのですね。
音楽とパフォーマンスのバランスが問われるところです。
来年から取り組みたいと思っている「新しい世界」、千原英喜氏とのコラボレーションの「始まり」と言って良いでしょう。

当日は照明も加わって作品が持つ「儀式」「祭り」が効果的に発揮できたのではないかと思っています。
合唱団も潜んでいた「日本の心・リズム」に酔いしれていましたね。
初演ということで少し制限(時間的な余裕の無さで暗譜が間に合いませんでした)があったものの、次回の再演ではもっとスゴイ世界をお聴かせできることだと思います。乞うご期待です(笑)

いましばらくお待ち下さい

上の写真は木下牧子さんの「原体剣舞連」の練習風景です。
3度目の演奏となるのですが(一度改訂されています)、今回の演奏で私たちの「レパートリー」になったと実感します。
この曲、難しいですがやりがいのある曲ですね。
CDに残し、多くの人たちに聴いていただきたいと思うのですが・・・・・・。



さて、今回の立役者「常田富士男」です。

いましばらくお待ち下さい

この演奏会を企画したとき、常田さんのイメージと「賢治」のイメージが私の中で重なっていました。
是非にとお頼みしました。
初めてお会いしたときにも旧知の間柄のような面持ちで、私の確信は見事に当たりました。
謙虚に「「賢治」の詩はむずかしいです」と仰る常田さん。
だからこそ私は「朗読していただきたいのです」と、しっかりと私の気持ちを言えたかどうか。

企画・構成は私です。
詩も選びました。常田さんと幾度かのやりとりをして入れ替えたものがあったのですが、私もその提案に納得。少し悩みつつ私が選んだ詩をずばりの指摘です。流石です。



で、終わってみればこの笑顔です。(もう、ほんとうに素敵です!)
横に座っているのはピアニスト木下亜子さん。もう一人のこの日の立役者ですね。二人が列んで酒を飲み交わしているショット、チョット記念モノですね。(笑)

いましばらくお待ち下さい

スピーチもしていただきました。

いましばらくお待ち下さい

写真の下に刻まれた日時に注目。
時間は既に午後10時40分を過ぎています。
盛り上がっている「打ち上げ会」です。

そして、この後にスピーチして下さったのが木下牧子さん。
その時間は11時近くになっていました。

いましばらくお待ち下さい

牧子さんにはいつも惹かれます。(作品にですよ!(笑))
「ずっと追いかけますね」とラブコールを送っているのですが、この思い伝わっているのかどうか。(笑)シャイな私の悩みです。



千原さんも仕事先の東京から駆けつけて付き合って下さいました。
しきりにブッキングに悔やんで居られましたが、致し方ないですね。
でも、初演を終えてのちステージから客席に居た千原さんを迎えたときは心底嬉しいと思いました。(当たり前のことなのですが・・・ちょっと最近嬉しさの中身に変化が・・・・(笑))

打ち上げには参加できなかったのですが、もう一人立役者がいます。
それが照明を担当して下さった「船阪義一」。
これからも船阪氏とともにステージを創っていくつもりです。
船阪氏あっての私の企画です。
下の写真はステージ「星めぐり」の時の照明なのですが(リハーサルで撮りました)、あの星良かったですよね。
照明の基調に「青」が使われていたのを気づかれました?
オルガンのパイプに青の照明が当たっています。
私がイメージする「賢治」の色は「青」です。
それを見事にステージに表現してくれました。
同日まで解らなかったのですが、これを見てどれだけ私が喜び、「賢治」の世界を創る気持ちに拍車がかかったか。
控えめでありながら、しっかりと光を作っていただける。今回の「種山ヶ原の夜の歌」の照明と併せて白眉のステージでした。

いましばらくお待ち下さい

【追記】
「打ち上げ」は三次会まで続きました。(笑)
そしてそこには最後まで穏やかな笑顔で過ごして下さった常田さんの姿が。(笑)
夜明け前に店を出る私たち。
始発電車を待つメンバー。タクシーで帰宅するメンバー。
久しぶりの光景です。(笑)
今回のステージから私が立ち直るのに相当な時間の経過が必要でした。(その後も仕事は続いていたのですが)
メンバーも同じのようです。(もう白熱の舞台だったのですね)
この「日記」を掲載するのにこれほどの日数がかかりました。(笑)
OCM、これからは徐々に「ロ短調ミサ」へと昇っていく道です。
一転して「バッハ」です。またまた楽しみます。



No.644 '07/11/02「「宮澤賢治」を終えました」終わり