'97/4/20

和歌山バッハのコンサートは熱っぽかったです


昨日は団員の熱唱がコンサートを盛り上げました。
以前から彼らの客観視するスタイルの演奏を指摘し、もう少し体で感じるような演奏を期待していてたんですが、昨日はその一片を感じさせてくれる演奏となったと思います。
お客様も満員でした。
小さな教会でのコンサート。合唱団とお客様が一体となれる空間が私の目標です。
バッハの作品を演奏することは、団員一人一人が必死にならざるを得なくなってしまうんです。
高音の持続、細かい音の動き、独立した声部の維持、難しい音程、どれをとっても余裕などあるわけはありません。
その音楽を「和歌山バッハコーア」は水準以上の演奏でやってのけたと思うんです。
アマチュア合唱団で望める最高に近い演奏となったのではないでしょうか。
回を増すごとに、彼らはハードルを一つ一つ着実に飛び越えているんですね。
体験を通してバッハの音楽の素晴らしさを楽しんでもらう。楽しむには苦しさも味わうわけですが、彼らの演奏は情熱となってほとばしっていたと思います。
それがお客さんにストレートに通じたんです。
ドイツ語、聴き慣れないスタイル、バッハは決して聴きやすい部類の音楽ではないでしょう。でも演奏会後に見たアンケートにも書かれてあったように、演奏を通じてバッハの音楽にある大事なものだけは伝えられていたと思うんです。
彼らの表情は豊かでした。
真摯に作品と向き合っての演奏でした。
一回り大きく成長した団員もいたと思いますね。
演奏できた安堵感、ちょっぴりの自信、打ち上げは盛り上がりました。
次回の演奏会は夏に控えているんですが、今度はバッハを離れて邦人の曲も入れようと思っています。
更なる彼らの飛躍を期待できるんです。

'97/4/20「和歌山バッハのコンサートは熱っぽかったです」終わり


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