No.122 '97/11/15

東京公演を前にして


東京公演を前にして、合唱団は毎日の練習です。
曲によって歌うメンバーが異なるため、その予定を組むのがまた大変です。
練習量の多い合唱団ですが、する事はまだまだいっぱいあります。
独唱などに比べてやはりアンサンブルというのは時間がかかりますね。
しかし、そうは言うものの、指揮をする私などは時に、「練習休もうよ」と思うことがあるのですが、幸か不幸か、合唱団はホントよく練習をするんです。
ある程度練習して曲が見えてくれば、それ以上のものが先に見えてきたり、また追求したくなるんですね。
それに、演奏に対する不安とか、歌う者が5〜60名もいるとアンサンブルが乱れやすいものですからついつい練習する、ということになるんだと思います。

先に書きましたように、今回の合唱団のポイントは「響き」の復活ということでした。
昨日の練習でもそのことの確認をしてきましたから、「シュッツ・トーン」は東京でも聴いていただけることと思います。
では、今までの「響き」とどう違うのか?
一言で言えばいわゆる「声の当てる場所」が違っているのですね。
普通の響きよりも私が求めるものは「当てる場所」を高く取ります。加えて奥ではなく前の方にも当てるのですね。
高くなりすぎてもよくありません。
前過ぎてもよくないんですが。
声の「はまる場所」があるんですね。そのそれぞれが出す「はまる場所」が集まると、ちょっとビックリする特別な響きがするんです。
「合唱講座」でも書いていますが、倍音と呼ばれる音がよく聴こえてくる状態になるのだと思います。
これは明るく、力強く鳴り響くんです。

なんだか「合唱講座」のようになってきましたね。

話題を前に戻して、
練習を通じてそれらの「響き」を体得すること。
それに勿論、作品の魅力を感じて音楽を楽しむこと。
これが練習を続けられるコツでしょうね。

団員の顔が輝いて見える時って、楽しく歌っている時なんです。
苦行をしているわけではありませんから、やっぱり楽しさを表現して頂かなくては。
今日も明日も練習です。
そして月曜日は東京へと向かいます。
レコーディングも含んでいる演奏会です。
いい演奏会にしたいと思っています。

'97/11/15「東京公演を前にして」終わり