No.147 '98/3/27

科学の終焉


先日神戸に行って来ました。
もともと「科学」に興味があるものですから、神戸市立博物館で開催されている「大英科学博物館展」を見てきました。
5月17日までですから皆さんにもお勧めしたいと思います。

最近話題をよんでいる「科学の終焉」(ジョン・ホーガン著 徳間書店)なるものを読んでいたこともあって、この「博物館展」はタイミングのよい流れでした。
その本は
「科学の輝ける日々、偉大な冒険としての科学は終わりつつある。革命的な大発見はもうない」(訳者あとがき-より)
という内容。
以前から同意見の私にとってはまさに「意を得たり」、面白くかつ刺激的な本でした。

現在の「科学の最先端」の話題だったその本。
一方「博物館展」では、世界に先駆けて産業革命による工業化を成し遂げた英国、その常に最先端を走り続けた足跡をたどる催しものです。
コレクションを見ながら考えさせられました。

鉄鋼、鉄道、通信、電気など我々の生活に欠かせないそれらの技術は、まだ、たかだか150年ばかりの歴史なんですね。

150年といえば、
「歴史は150年、あるいは200年単位で憶えるといい」と私は皆によく言うんです。
まだ詳細な区分がなされていない<中世>は置き、ルネッサンス期からおおよそ1400〜1600年、1600〜1750(1800)、1750(1800)〜1900(1950)と言うわけです。
音楽の歴史でもルネッサンスは1400〜1600、バロックは1600〜1750、古典主義は1750〜1800、ロマン主義は1800〜1900、(この後印象主義がまたがって)、そして20世紀というふうに分けている学者がいます。
こちらに向かうほどどの分野においても少しずつ<加速度を増している>といったことが言えかもしれませんが、対応しているような気がします。

<停滞の時期>、<混迷の時期>だと言われる現代ですが、私には<部分的、細分化の時期>だという認識です。
<再編成の時期>と言えるかもしれません。

復興を遂げている神戸。
久しぶりの楽しい一日でした。

No.147 '98/3/27「科学の終焉」終わり