No.164 '98/8/24

演奏旅行(3)ブルク(MDR夏の音楽祭)


今回の演奏旅行の第一目的がこの音楽祭参加でした。
訪れたドイツ各地でこのポスターを見ました。

中央のポスターがMDRの夏の音楽祭です。
上の段、左から2番目が我々の紹介です。残念ながら写真の発送が遅れたため写真は掲載されていませんでした。我々の他にもう一つ写真が掲載されていないグループがありましたが、それはどうしてだったのでしょう。

当日配られたプログラムと演奏会場となった「聖ニコライ教会」です。
ニコライ教会の写真は絵はがきから撮りました。
当日の演奏会場や周辺の写真は少ないんですね。私も皆も準備に頭がいって写真を取ることを忘れがちです。ということで既成のものになってしまいます。これからの記事もそうなってしまうかもしれませんがお許し下さい。

ブルクの街に到着したときは少し不安でした。それはドイツ最初の演奏会だったとか、音楽祭だからという理由だけではなく、街がとても静かだったからです。
教会に続く道には我々の演奏を伝えるMDRのポスターが間隔短く両側に貼られています。
しかし、ほとんど人通りがないんです。
これには団員一同、「今日のお客さん来るやろか・・・・・」。

でも演奏会が始まる時間にはどこから集まって来るんだろうかと思うほどに会場となった教会は満員となりました。
[Strasse der Romanik]と名付けられたこの演奏会は名の通り「ロマネスク様式」をたどるものです。
この教会も歴史的な建物として注目をあびているのだそうです。
私たちは先ず響きを「確かめる」、あるいは「掴む」ことが大切です。
念入りなリハーサルをしました。
受け入れているMDRの人も始めは少し怪訝(けげん)そう。しかし、曲を進めるほどに彼らの目は驚きと安心の目を私に向けたのです。
これで私は「いける」と思いましたね。
演奏は正直少し硬いものとなってしまいました。これは最初の演奏会であったこと、そしてお客さんが入ったことでリハーサルとは違う響きになったことが原因だったと思います。
しかし、結果としては「上々の出来」といっていいのではないでしょうか。
会場のお客さんは大拍手。それも立ち上がっての拍手です(これは後の演奏全てにおいても同じでした)。
さすが、去年のように床を踏みならすということはありませんでしたが私たちの演奏に対する最高の賛辞と私たちは受け取りました。

演奏ごとにお客さんの顔が変わっていったそうです。
どんどん「いい顔」になっていくんですって。団員はその変化を逃しません。
彼らの演奏が終演に向かうほど熱くなっていくのが振っている私には最高の喜びです。この相乗作用がライブの喜び。始めの演奏会でそれをやってしまった団員に対してもう不安は私にはありません。
演奏旅行の成功の確信を私はこの演奏会で持ちました。

演奏会が終わると、楽しみはビールを飲むこと。
昼食にお世話になったお店へと向かいます。
ここのご主人とその奥さんでしょうか、とてもいい方でした。
写真を撮らせていただきました。(左の写真は昼間に撮った時のものです)
このような街や村での人との出会い、それはホントに幸せです。

'98/8/24「ブルク(MDR夏の音楽祭」終わり