No.401 '01/12/11

「ロ短調ミサ」が近づいてきました


いよいよ「ロ短調ミサ」の演奏が近づいてきました。
この曲、あの大バッハの作品の中でも最高峰に位置づけられる代表作です。
西洋音楽史上における金字塔ですね。

と、バッハ愛好家、バロック音楽愛好家が声を挙げてそう言いはります。(いきなり関西弁ですね(笑))
しかし、実はあまりそのことを大半の人は知りはりませんね。
「へぇ〜、そうなんや(で、それがどないしたん?)」というわけです。
知っている者から言わせれば、「もうホント大変なんやで」「もう、メチャいいねん」「これ知らんてモグリやな」、てなもんですね。
このギャップ、困ったものです。でもこれが現実ですね(泣)。

史上、名を成した作曲家でバッハの影響を受けなかった人はいないでしょう。(とバッハ愛好家は直ぐそう言います。とにかくオーバーな言いかたになってしまうんです。では、バッハ以前の大作曲家はどうすればいいんだ!・・・・ですね(笑))
まぁそうはいえ、作曲の勉強には「フーガ」という作曲技法があるのですが、これを勉強するにはやはりバッハを学ぶことになってます。
和声法も実はバッハに学ぶべき所が大なんですね。
つまりこのバッハという作曲家、音楽に携わっている者が必ず通らなければならない道でもあるんですよ。(側でもかまわないのですが)
ですから、まずお熱を上げるのが音楽を勉強している人たちです。(しかし、反比例して<嫌い>になる人もいますがね)。
クラシック関係者だけでなく、最近ではジャンルを超えてバッハの名は知られるようになりましたが、それでも我が国ではまだまだ特別区域の人なんですね。

ですから、いくら大作曲家の代表作、最高傑作、音楽史上に輝く金字塔、なんていったって、あまり耳を傾けてくれる人はいません。
バッハを演奏する者にとってこれは辛いですね。
でも、不思議なことに外国からの有名な演奏家が来るとホールは満員近く入るんです。ということは沢山愛好家がいるということですよね。
この愛好家たちは日頃は一体どこにいるんでしょうか?(笑)
(いやいや、私たちの演奏会にも沢山の愛好家がいらっしゃって下さってます。ありがとうございます。)

バッハを一度も聴いたことのない人は、幸いです。
バッハを嫌いな人は幸いです。
バッハを知らない人も幸いです。
だって、バッハを好きになる機会があるんですもの。(笑)
そういう人たちにも感じてもらえる演奏がしたいなぁ・・・、なんて考えています。

伝統的な演奏ではありません。(しかし、伝統的に伝わってきたことは一応含んで演奏してますが)
とにかくバッハの面白さ、楽しさが伝わるような演奏がしたいんです。(こんな風に書くとバッハ愛好家から叱られそうです。もっと奥深く、荘厳で、厳粛な音楽だということなんですね。)
バッハを演奏していてやはりウキウキしてきます。
体の奥底からわき上がる生命力というか、根元のエネルギーの放出を感じるんです。
辛い、苦しい表現の時でも底に流れる<希望>を感じ、もう私は心が躍ってくるんです。

バッハ、いいですね。やっぱり私は「バッハ愛好家」でした。(笑)

No.401 '01/12/11「「ロ短調ミサ」が近づいてきました」終わり