No.472 '02/12/10

新生なる「和歌山バッハ・コール」


先週の土曜日、「和歌山バッハ・コール」の定期がありました。
和歌山に「バッハ」を響かせようとの思いで私を招聘して立ち上げた合唱団でしたが、今回で32回を迎えました。

引き受けた当初、5年ぐらいで「バッハ」が歌えるようになるかなとの思いで引き受けた「常任」だったのですが、5年ぐらいではダメでしたね。(笑)
回を増すごとに上手くなってきてはいましたが、今一つ確かな「響き」とまではいかなかったんです。
私が思う「バッハ」の条件は、「モテット」が歌える「響き」の合唱団であること。
それがなかなか思うような「響き」にならなかった苛立ちが正直ずっと続いていました。
西洋音楽での宗教曲、それもアカペラの「モテット」が歌える発声と様式をもった合唱団を先ず作りたかったんですね。

「日本語」は上手でしたね。(笑)
邦人曲を歌わせると俄然巧く歌える団員と、何となく「邦人曲は嫌やな」と思っている団員とが混在していた当初。
私は「どちらもちょっと違うな」との思いだったのですが(笑)、でも昔から「歌心」と「真面目さ」「ひたむきさ」だけは(失礼)ありました。
その「歌心」と「真面目さ」「ひたむきさ」が、5年どころか、すでに14年にもなっているお付き合いの理由です。

今回の演奏会は団にとって「背水の陣」でした。(笑)
個人的な事情により、お休みされるかたや退団される方が現れたのですね。
その中にはこれまで団の中心的な役割を負っていた人もいます。
結果、16名での定期演奏会となったんです。

練習の回を追うごとに16名とは思えない「響き」が出始めていました。
「ピュアな響き」といっていいでしょう。それが倍音を産み出し始めたのですね。
今回、過去の演奏全てを通しても見受けられなかった「素晴らしい響き」が出ました。
それも今までとは違って、全曲安定した「響き」と「ピッチ」で演奏し終えたのです。

今回の「第32回定期演奏会」を密かに、「新生第1回定期演奏会」と私のパソコンのデータに打ち込んでおきましょう。(笑)
それほどにこれまでとガラッと変わりました。
これを続けていって欲しい、続けていきたい、と切に願っています。(笑)
団員ももう少し増えるといいですね。
噂では、私の指導が<怖く>て「大変よ!」とか、練習が<厳しく><多い>とか言われていると聞いたことがあるのですが、そんなこと無いです。(笑)
こんな優しい指揮者はいません!(笑)

新入団員が増えるといいな。
来年からの活動が一段と楽しみとなった演奏会でした。

No.472 '02/12/10「新生なる「和歌山バッハ・コール」」終わり