No.475 '02/12/22

「音楽」を語る「本」


街に出れば「本屋」を覗きます。
ホームページの私の推薦する本や、読んだ本の紹介は滞ってしまっているのですが(なかなか進みませんね。その間、読んだ本が無かったというんじゃないんですよ(笑))、色々な本を読みあさっています。
相変わらず、音楽関係のコーナーはチラッと見るだけで通り過ぎることが多いです。
特に評論集やそれに類する演奏論は見ませんね。(一番関心が深いんですが、どうも懐疑心の方が強くなっているようで手に取るのも躊躇するんです)
雑誌の「演奏批評」は特にいけません。(笑)
私が演奏した「演奏批評」など気になるものの、もう読みたいともあまり思わなくなりました。良く書いて頂いたときも、良くない風に書かれたときも、もうどちらも私とは別次元のこととしてちょっと「シラケ」てしまうようなんですね。(涙)

「批評」の役目は終わった。
「批評」などこの時代にあって<無用の長物><生きた化石>のように思えてならないんですね。(と言うものの、実は新しい「批評」、意味有る「批評」というものを待ち望んでいるんですが)

そんな中にあって最近何冊か買って置いてあった本があるんです。
きっと気になっていたんでしょうね、いつか読もうと我が狭し部屋の「積ん読」コーナーに置いてありました。
「クラシックCD名盤バトル」と題した本で、著者は許 光俊(きょ みつとし)さんと鈴木淳史(すずき あつふみ)さん。
そしてそのお二人による別々の本、許さんが書いた「世界最高のクラシック」、鈴木さんが書いた「日本人のためのクラシック音楽入門『不思議な国のクラシック』です。
その本をスキーの行き帰りの時間有効利用のために(笑)、と持っていって読んだのですね。

面白い本でした。
お二人の「視点」の違いが感じられて面白かったんです。
私はどちらかというと鈴木さんの感覚に近いなあと思いながら、その面白おかしく書かれた本を一気に読んでしまいました。
まぁ、読んでみても私の「懐疑心」は晴れたわけではないのですが、まだまだこれだけの事を書こうとするエネルギーが「クラシック音楽」にあるんだ、という思いが少しばかり新鮮な空気を吸ったようで嬉しかったのでした。

時代がお二人の著書を産み出す素地を整えていたのですね、結果としてはお二人とも「日本人」としての特徴を現したに過ぎないということなのですが、論考を進めていく上で必要な材料の豊富さ(幾多の「文化論」「日本人論」、「演奏論」)が多く整えられていたんだ、ということに私は大きな感動を持つんですね。
「音楽」を語る「本」に久しぶりに夢中になったかもしれません。
休みを貰ってスキーに出掛けたことは<有意義>でしたね。(ニコニコ)

No.475 '02/12/22「「音楽」を語る「本」」終わり