No.503 '03/6/19

6月の「マンスリー・コンサート」


18日(水)は「6月マンスリー・コンサート」です。
この日はあいにく小雨も降る台風接近の日となりました。
いつもより少し少な目なお客様。
でも嬉しいことに毎回来ていただくお客様は熱心に聴いて下さいます。
演奏はファゴットの渡辺くんの演奏から。フランス音楽らしい柔らかく流れるようなドゥヴィエンヌの音楽でした。

ドヴォルザークの三重奏曲ハ長調OP.74は若手三人組による演奏です。
よく弦を鳴らしての演奏でした。
ヴァイオリン中前晴美、法橋泰子、ヴィオラ片山晶子。

ヴィヴァルディの合奏協奏曲「調和の霊感」OP.3-9ニ長調をソロ、棚田めぐみで演奏です。
指揮無しのアンサンブル。
「SCO」の合奏力を鍛えるのは指揮なしでは少し心配なのですが、音楽の自発性を養うのには最適です。
できるだけ彼ら、彼女たちにまかせようと思っています。
今日の演奏は棚田さんの大らかに流れる音楽となりました。
音がしっかりしてきた、というのが彼女をずっと見てきての私の感想です。
これからも時々はソロやらせたいですね。

シリーズとなっている、ゼレンカの演奏。
ソナタ第3番変ロ長調、編成はヴァイオリン森田玲子、オーボエ福田淳、ファゴット渡辺悦朗、チェロ柳瀬史佳、チェンバロ沖田明子です。
バッハと同世代の音楽家、ファンも多いのですがあまり演奏される機会に恵まれない作曲家の一人でしょうね。
しかしなかなか魅力的な曲を書いていると思います。半音階的指向がちょっと現代っぽく聞こえ面白いです。

演奏会、最後の演奏は「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」。
「日本語による合唱曲シリーズ」の一環として、木下牧子さんの新しく出たアカペラ集から「サッカーによせて」「さびしいカシの木」「おんがく」、そしてアンコールとして「いっしょに」を演奏。
ちょっとこだわりの演奏法を試しました。
日本語の明澄化、そして純粋のハーモニーというのは今まで通りとして、声の立ち上げ方を少し変えました。
まだまだ試してみたいことが沢山あります。
今回、成果はあったと思うのですが、聴いていただいていたお客様にはどんな風に伝わったかちょっと気になるところです。

「マンスリー・コンサート」は私たちの演奏の基盤。
試行錯誤で新しい演奏法も産み出されます。
その証人となっていただいているのは当日のお客様というわけです。
これからも一回一回「我々独自の演奏」のために積み重ねていきたいと思っています。

No.503 '03/6/19 「6月の「マンスリー・コンサート」」終わり