第16回(1996/12/12)

音の高低と強弱の関係

さて、<音の不思議>のつづきです。
<空気の圧力変動>が音の正体だということでした。そしてその圧力変化が一秒間に何回起こるかが重要でしたね。
一秒間に一回振動するのを一ヘルツ(HZ)といいます。 しかしこの一ヘルツの音は人間には聴こえません。この圧力変化ではゆっくり過ぎて音として認識できないのですね。
では一体人間の耳はどのぐらいの範囲で音として認識するのでしょうか?
一般的に低い音の20ヘルツ〜2万ヘルツの高い音までの範囲だと言われています。
これを<可聴周波数範囲>と呼ぶそうです。周波数とは一秒間に起こる振動数のことでしたね。
この<可聴周波数範囲>は人によって変わります。それは体質や年齢や様々の要因が関係します。

皆さんは低い音と高い音を比べればどちらの方が心地よいですか?
おそらく低い音ではないかと思うのですがどうでしょう。
周波数の高い音(例えば車などの急ブレーキ、ガラスを引っかく音、ヘッドホンから漏れる音等)はいやがられる音だと思いますね。

久しぶりにこの夏、沖縄旅行に行った折り、あるバンドのライブを聴く機会がありました。例のあの爆音(としか例えようがありません)に接してしまいました。若い頃にはそう思わなかったのですが、その時はダメでしたね。もうほんとに気分が悪く、音を聴くというよりは、痛みさえ感じてしまうほどのPAの音でした。
その原因は音の大きさと、電気楽器による高音特性がその原因だったと思います。(もちろん低音も耐えられないほどの騒音と化していましたが、高音よりは精神的打撃は少なかったです。)

弱すぎる音波は聴こえないし、かといって、強すぎる音波は痛みにも通じてしまうとなればさて、理想的な音づくりとはどういったものなのでしょうね。
確かに、音量を上げて、大きな強い音を出す方が高音も低音も均等に聴こえるという性質もあるのは事実のなのですが・・・・・・。
その答えはもう少し先のこととして、もう一度振り返って音の特性を考えましょうか。

音とは空気の<圧力変動>でしたね。(ちょっとくどいですか?)
拍手は手のひら同士の皮膚がぶつかって出す音ではありませんね。打ち合わせる瞬間に圧縮される空気がその原因です。圧縮が強ければ強いほどその圧力変化が空気の波動となってより大きな拍手の音となるのです。
本を閉じる時の音、指を鳴らす音、ものが落ちた時の音、全てそうですね。
そしてその音が高い音の場合は敏感になりますし、低い音の場合はあまり気にならない(程度はありますが)ということになるのですね。
今回はここまでです。
次回は音の特性をもう少し述べてみることにします


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