第36回('00/4/25)

声の増幅と多色

普段おしゃべりしている声の大きさで歌をうたうのは、自分のためか、親しい人が間近にいるときですね。
コーラスや、マイクを使わないステージでは声は小さすぎて後ろまで届きませんね。
やはり、オペラ歌手のように声量たっぷりに歌うこともできなきゃいけないというわけです。

今回は「声を大きくする法(響の増大)」と、それに伴う「声色の作り方」を記しましょう。

とても簡単です。
是非おためし下さい。

●いつものように「ヴォーチェ・ディ・フィンテ」でご自身の歌いやすい音域で声を出します。
声を出しながら徐々に”目を大きく見開き”そして、同時に”眉毛と眉毛の間の筋肉を上に引き上げる”ようにします。

これだけなんです。
これによって、鼻の奥の方が開いていくのが感じられればOKです。
声を出しながら試してください。どうですか、声が大きくなっていく(広がる)のがお解りになると思います。
簡単でしょ。すぐできると思います。

これを機会に発声に関係している顔の筋肉の名前を今回覚えることにしましょう。
大きく分けて
●おでこ
●目の回り
●頬
●口のまわり
の筋肉です。
これを使って「声に変化を与えます」。

 

筋肉の名前は次の通りです。
モデルはバッハさんになっていただきました。
今年は没後250年という記念の年でもありますし。

 

 

皺眉筋(しゅうびきん):この筋肉が大事です。
鼻筋(びきん):
眼輪筋(がんりんきん):大きく目を見開く筋肉ですね。
頬筋(きょうきん):
笑筋(しょうきん):
口輪筋(こうりんきん):

口角下制筋(こうかくかせいきん)〔三角筋〕:この筋肉を使うにはちょっとコツがいりますね。なかなか難しいのですが、使えるようになると声色の幅が断然違ってきます。
練習してください。漢字にも示されているように、この筋肉は下の方に向かって動かします。

これらの筋肉によっていろいろな音色の声を出すことができます。
鏡を見ながら動かして試してください。(百面相ですね)

昔から、声色(こわいろ)を真似ることの上手な人は歌も上手だと言われています。
それはこれらの筋肉を様々に動かすことができるからでしょう。
悲しい声
嬉しい声
怯えた声
怒る声
その他、あらゆる感情にともなって動く筋肉がこれらの筋肉なんですね。(ほんとうはもっと細かく分類できるのでしょうが、今は大まかなものとして上にあげたものだけを把握しておけばいいと思います)

さあ、いろいろと試してください。
驚くことがいっぱい起こりますよ。

第36回「声の増幅と多色」終わり


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