第47回

季刊誌「合唱表現」の寄稿文上での誤記訂正、そして若干の補足


先ず始めに、寄稿文上での訂正箇所です。
私が季刊誌「合唱表現」〔2005年2月、11号〕に寄稿した「木下牧子作品 ア・カペラ作品におけるピッチと日本語」が掲載されている5ページ、上の段、9行目の「i,e,a,o,u」は誤りで「i,a,e,o,u」が正しいです。
訂正して読んで頂ければ幸いです。
(この誤記、私の原稿では正しく表記されていたのですが、校正の段階で変わったようです。しかし、送られてきた校正原稿をしっかり見なかった私のミスが原因でしょう)

日本語の歌の場合、多くの演奏が「a」の発音を深く、重く、暗くし過ぎるのではないかと思っています。
「i」の次に明るい母音は「a」というのが私の意見です。
聴き手にとって、日常的な響きか、それとも非日常的(非日本的)な響きとして聞こえるかは「a」の響きが大いに関係するのではないか?
それが主旨でした。
私の提案「i,a,e,o,u」は明るい順番に並べてみたものです。

《舌の動き》を中心として「i,e,a,o,u」の練習法を記した「合唱講座」『第45回「OCM式日本語50音」発音』との関連で言えば、「i,a,e,o,u」は《響きの明るさ》から捉え直したものと理解して頂ければ良いかと思います。

もう一カ所の補足説明。
4ページ、下段9行目。「蛇足になりますが、音の取り方のアドヴァイスです。音の取り方は下からズリ上げるのではなく、上から取る、ということが大前提です。」の、〔上から取る〕というのが少し説明不足かもしれません。
多くの人たちは音程を取る場合、「ズリ上げ」によっていると私には思われます。これでは正しいピッチは叶いません。
「ズリ上げ」とは「胸声」の要素を用いて声を上に押し上げようとするもので、これは上半身の力み、そして高次倍音の減少という問題を引き起こします。
私はこの矯正のために〔上から取る〕という言葉をよく用います。
ファルセットから声作りする「ヴォーチェ・ディ・フィンテ」。
そのプロセスにおいて、〔上から取る〕は極めて重要なイメージ語です。
声帯および関連筋の伸展を喚起する言葉として用います。

以上、寄稿文の訂正と補足でした。

第47回「季刊誌「合唱表現」の寄稿文上での誤記訂正、そして若干の補足」終わり


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