第59回

「母音」の発音(響き領域) 〔補遺〕


「イ」
〔補遺〕
身体での響き領域は下の図にあるように、背(身体の後側)を中心に縦型です。もちろん明るい響きづくりとして頭部前面を意識しなければなりませんが、中心となる、特に響く部分として練習するとよいと思います。

母音「イ」

「エ」
〔補遺〕
身体での響き領域は下の図にあるように、後頭部から肩胛骨にかけての部分です。 響きの領域が上半身の後ろ側なのは「イ」と同じなのですが、「エ」の方が縦型が短くなります。
(もちろん明るい響きづくりとして頭部前面も意識しなければなりません)

母音「エ」

「ア」
〔補遺〕
身体での響き領域は下の図にあるように、上半身胸部から頭頂にかけての全体です。前面での響きになりがちですが、じつは身体の後ろ側にも響かせることが大切です。
(倍音を意識したバランス良い充実した響き領域をつくりましょう)

母音「ア」

「オ」
〔補遺〕
身体での響き領域は下の図にあるように、胸部下部から鼻腔にかけての全体が響きます。「オ」の発声はどうしても響きの領域は胸部を中心となりがちですが、明るく遠くへ飛ばすためにも前頭から頭頂にかけての領域も意識したいものです。

母音「オ」

「ウ」
〔補遺〕
身体での響き領域は下の図にあるように、鼻腔から頭部前面が中心となる響きです。間違われやすいのですが「ウ」の発声を喉頭付近の響きとして理解している方が多いようです。本来は頭部での響きです。少し高い音域によるファルセットの「ウ」から練習すれば解りやすいかもしれません。

母音「ウ」

《重要》
上のイメージ図の領域、それは特に響く場所として練習時の目標としていただければいいと思います。しかし大切なのはどの母音でも高次倍音、すなわち頭頂から前頭部の意識による発声が大切だということを忘れないで下さい。
明るい響きが目標です。強く、良く飛び、そして倍音を多く含む声は「明るさ」指向から生まれると私は思っています。

『母音の響く場所を示す領域図は加瀬玲子氏の著書を参考にしました』

第59回「「母音」の発音(響き領域) 〔補遺〕」(この項終わり)


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