バッハ「ヨハネ受難曲」を〔オペラ化〕することの思いは、昨年の大阪での公演で書きました。
結果、大阪では大変好評を頂いたと思います。
それならば、是非とも東京でも公演してみたい、これが正直な気持ちでした。
東京ではどんな風に聴いていただけるか、また観ていただけるか。
「合唱音楽」を主として聴いていただいてきたのが東京定期です。
動きを付ける、照明を付ける。そのことでもっと表現の幅が増すのではないか。
「歌劇団」でない団体がオペラまがいのことをする。ちょっと勇気のいることではありますが、これまで一貫して行っていた活動を考えると、そう的外れなことではないと考えて踏み切りました。
大道具を組めるわけもなく、小道具に凝るにも限りがある低予算。
ギリギリのところで何ができるか?
ソリストを擁しているとはいえ、全員が相当なキャリアをもっているわけでもありません。
ただ、バッハの「ヨハネ受難曲」は我々のレパートリーであること。
「オペラ」様式も可能である、そして合唱音楽が「主」なる役割を負っている。
それらのことから、総合的な「アンサンブル力」で演奏できるのではないか?そう思っての決断でした。
終わってから頂いた数々のご意見、ご感想。そしてアンケート。
アンケートは全て読ませていただきました。
またご意見やご感想は、聴いた人たちから私の耳に入れていただいています。
総じて好評をもって観ていただけたのではないかとの思いです。
この「マイヌング」で大阪での公演のことを書いていますので、東京公演も記録しておこうと思いました。
前記には写真が載せられなかったですが、ここでは掲載することができました。
下の写真はリハーサルのものです。
見ていただくことで、幾分かは雰囲気が伝わるのではないかと思います。
全体の配置、構図に苦慮しました。
また、淡い青の照明が基調です。
大阪公演よりメンバー達は随分パワーが増しました。
「水を得た魚」とでもいうのでしょうか、殺気に満ちた表情や、慈愛に寄せる思いなどがそれぞれに湧き起こったようです。
今さらながら、「動き」や「照明」の効果ははかり知れないものだと知ります。
それぞれの芸術性も追求したい、その思いが更に強くなっています。
勿論、演奏そのものの水準の高さはこれからも頂を目指さなければなりません。
しかし「現代音楽」や「合唱音楽」などの分野ではもっとそれらによる総合的な可能性を探って見るのも面白いかなと真剣に考えているところです。
公演が終わって以来、私は人に会うごとに「もっと動こうかなぁ」「照明使いたいなぁ」なんて云っているようです。
第110回('07/03/16)「「ヨハネ」東京公演」この項終わり。