〔音楽覚え書き帳〕
作品目録:一般的な意味では、研究者によって編纂された特定の作曲家の作品整理目録番号です。
作品番号:作曲者自身が付けた整理番号、出版社が付けた整理番号、後世の研究者がつけた整理番号などがあります。しかし、同じ作曲者の作品でも付けられなかったものもあり、番号の付け方は一定していません。
また、よく誤解されているようですが、作品番号が必ずしも作曲順とは限っていません。
ラテン語のopusは<作品、芸術品、著作物、仕事>という意味。
読み方は、オープスともオーパスともいう。
関連語として「opera(オペラ)」<歌劇>があります。これはopusの複数形で、沢山の小品(作品)が集まったものということを意味しています。
ラテン語のpostumus<最後の、遺された>という意味。
以下に代表的な作品目録をあげます。
Werkeは<作品、著作物>、Verzeichnisは<目録、目次、表>という意味。
ドイツの音楽学者シュミーダーによるJ.S.バッハの作品目録の整理番号。
作品分類による番号です。作品年代順ではありません。
オランダの音楽学者ホーボーケンによる、ハイドンの作品目録の整理番号。
楽曲形態ごとに番号が付けられている。部門をローマ数字で、曲番をアラビア数字で表記しています。
オーストリアのモーツァルト研究家ケッヘル(1800〜77)による作品目録の整理番号。
これは作品年代順になっている。
通常、第三版と第六版の二種が用いられていますが、一般的には第六版(括弧の中に書いています)との併記を用います。
ohneは<〜がない>、Opuszahlは<作品番号>という意味。
ドイツの音楽学者キンスキーと、文献研究家ハルムによる作品目録の整理番号。
ベートーヴェン自身が付けた作品番号もあるのですが、付けられていない作品も多くあり、これらの作品番号のないものに付けられた整理番号。
オーストリアの音楽文献学者ドイチュ(1883〜1967)が編纂した作品目録の整理番号。
作品年代順になっている。