『JR熊取駅前疾走事件顛末記』


                              うえだうえお

10月26日(日)、明浄女子短期大学の学園祭に行って来ました。もちろん、遊
びではありません。学園祭のクラシックコンサートに出演する為です。(コンサー
トについては、大阪コレギウム・ムジクムのHPを参照して下さい。)

明浄学園は、大阪南部、熊取町にあります。最寄りの駅はJR熊取駅もしくは、南海
泉佐野駅です。この両駅からキャンパスまで、普段は学生さんの通学の為に運転さ
れているスクールバスが、学園祭期間中は一般の人も運んでくれます。

この日僕とぱんだろんは、少し早い目に到着すべく、JR熊取駅に12時20分頃に
降り立ちました。集合時間は13時半ですから、ちょっと早すぎました。こんな時
は、駅前のコンビニで食料の調達に限ります。(いえ、別に限らなくっても良いの
ですが・・・)

ふと、コンビニの入り口から駅前ロータリーを見ると、『明浄学園』と大きく書か
れたバスが止まっているではありませんか。前日の打ち合わせでは、バスは駅の裏
手の、学園専用の停留所から出るはす。『あれ〜?』と悩んでいるうちに、そのバ
スは出発してしまいました。

そこへ、テノールの剛くんが登場です。

 う:『さっき、そこに明浄学園のバスが止まっててんけどなぁ。』
 ご:『え〜、でも、バス停はあっち(駅の反対側)のはずですよ。』

と、頭の上に?マークをくっつけながらも『時間もあることやし、とりあえずあっ
ちへ行ってみましょかぁ〜』と、意見がまとまり、3人で『正規の』停留所へと向
かいました。しかし、『正規の』停留所に着いてみると、待合所が妙に清々しい
(?)のです。

 ご:『待合所に学園祭のポスターが貼ってないし、やっぱり駅前ですかねぇ』

で、駅前へ戻ろうとしたところ、向こう側から走ってくる人が居ます。こんな所で
走るのは、ウチのメンバーに違いありません(笑)。やはり、テノールの若山氏と
河村氏の、パートリーダコンビでした。

 う:『なんで走ってんのぉ?』
 わ:『12時40分のバスに間に合うかと思って・・・』
 う:『え〜、でもさっき、駅前で明浄学園のバスを見たんやけどなぁ。』
 か:『いや、昨日もらった地図にはここやと書いてある。あれは今年のパンフ
    からコピーしたはずやから、ここに違いない。』
 う:『いやぁ〜、僕は駅前やと思うけどなぁ・・・よっしゃ、駅前に3千点や!』
 か:『ほんなら、僕は、ここに3千点や!』

等と、訳の判らない会話を交わしているうち、続々とみんなが集まってきます。

バス停向かいの野菜の露天販売を物色したり、他愛ないおしゃべりをしたりで、
15分ばかり費やしたでしょうか。やはりバスは来ません。

 う:『剛ちゃん、僕らって、もう30分くらい待ってるよね。』
 ご:『そうですねぇ・・・やっぱり駅前ですかねぇ・・・』

と言って、先程駅前で明浄学園のバスを見かけた事をみんなに説明すると、コーア
マスタの倉橋さんが、笑いながら怒られました。

 く:『ちょっと、たっちゃん、そう言うことは先に言うてよ!』
 う:『い、いや、さっきから言うてたんですけど・・・(^^;)』

しかし、前日に配られた地図では、確かにこの場所で待つ様に書いてあるし、とり
あえず、次のバスが13時10分なので、それまで待った上で、来なければ駅前か
らタクシーに分乗して行こう、という事になりました。

同時に、駅前まで2人ほど偵察隊が出発しました。その時、エバンゲリスト若山が
叫びました。

 わ:『お、バスが来た!』

皆も遠くから近づいてくるバスを見て口々に叫びます。

 『あれや、あれに違いない!』

もちろん、先発の偵察隊を呼び戻すため、大急ぎで伝令が走りました。しかし近づ
いて来るバスを良く見ると、おでこに何やら数字が書いてあります。

 う:『あれって、路線バスとちゃうの?』
 わ:『う〜ん、そうやなぁ。』

妙に落ちついた返事が返ってきました。みんなでがっかりしていると、またもや若
山氏が叫びました。

 わ:『お、またバスが来た!』
 う:『あれも路線バスやで。』
     ・・・・・・
 わ:『お、またまたバスが来た!』
 う:『若山さん、さっきからそればっかりやん!』
 わ:『そればっかり、とは失礼な。俺はバスが来た、と言ってるだけや。確か
    にバスが来てるやないか、なんも間違えた事はゆうとらん!』

と、何故か自信たっぷりにのたまわっております。

さて、男声連中がアホな話をしている間に、偵察隊が返って来るやら、学園に直接
電話をして問い合わせるやらで、コーアマスタを中心とする女声チームは、学園祭
期間中はバスが駅前から出ることを突き止めた様です。さすがです。(ちなみに、
偵察隊も女声チームでした。(^^;))

その時既に13時9分。集合時間に間に合うバスには、後1分しかありません。

 わ:『後1分やぁ〜』

と叫びながら、真っ先に駆け出したのは、もちろん、エバンゲリスト若山氏です。
さすがです。(なにが?)

 く:『だれか、走ってバスをとめといてぇ!』

と、叫びながら、コーアマスタ倉橋さんも、一緒に走っています。そう、シュッツ合
唱団名物、『キャスター付き鞄を引っ張りながらの大疾走大会』が、またもや始ま
ったのです。20人からの合唱団員が、キャスター付きの鞄を引っ張りながら疾走
するんです。

 『がらがら・・・ごろごろ・・・どどどどっ』

JR熊取駅周辺のみなさんは、目を点にして私たちの疾走を見守っておられました。
さぞかし驚かれた事でしょう。

そんなこんなで、無事に集合時間には無事に間に合いました。みんな、感慨ひとし
おだった様です。(そんな事ないって?)

(注)この物語はフィクションです。登場する人物・団体は、実在の人物・団体
   一切関わりがありません。
            ・・・なんて書いても、誰も信用しませんよね。(笑) 


(追記)この記事をアップした後、コーアマスタの倉橋さんからお手紙を頂きました。

(前略)
私は、走らんとき、と言ったのではなく
「誰か、走ってバスを止めてけ!」と叫んだのでした。

一言、つけ加えてくれると、嬉しいでおます。

「どんな時も、ぜ〜〜〜ったい、最後まであきらめない」という
私のぽりし〜に反するので、大きな問題なのダ。
(後略)

はい、その通りでしたね。お詫びして、訂正させて頂きます。
(ますます、フィクションじゃ無くなってきたなぁ(笑))