第1の解[うえお]

『ナミュールのインテリ浮浪者』

浪者、詐欺師、そしてスリに出会いました。普段あまり馴染みの無い人たちばかり、と言うより、正直に言って、普段は避けている人たちばかり。もちろん、旅行中もこちらが好んで近づいた訳ではありませんが・・・。

ベルギーの地方都市、ナミュール(Namur)。ブリュッセルからパリへは、『タリス』というベルギー国鉄ご自慢の超特急に乗ると、あっという間だそうです。その代わり(?)、ブリュッセル−パリ間には、『タリス』以外の直通列車がありません。しかもこの超特急はユーレイル・パス等では乗車することが出来ません。これはもう、ベルギー国鉄の『罠』ですね(笑)。で、私たち貧乏旅行者はどうするのかというと、このナミュールで乗り継がなければならない訳です。

私たちは、ナミュールでの乗り継ぎの僅かな時間に、水や食料を買い込むことにしました。あいにくナミュールの駅は全面工事中で、どうやら駅舎の外まで出なければ店は無いようです。道路を渡って、駅前の小さなモールへと入って行きました。

ベルギーではフランス語(ワロン語)と、オランダ語(フラマン語)が公用語です。どうやらナミュールはフランス語圏の様でした。店員のお姉さんに(英語で)話しかけると、慌てたお姉さんは、店の外に向かって大声で叫び、誰かを呼んでいる様です。なんと、のそのそと店内に入ってきたのは、店の前で座り込んでいた浮浪者のおじさんでした。このおじさんが通訳してくれて、私たちは無事に水を入手することが出来たのでした。

恐るべし、ナミュールの浮浪者は結構インテリ・・・それだけ英語が達者なら、何なと仕事があるでしょうに。(笑)

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