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□■コレ・マガ■□
【大阪コレギウム・ムジクム メールマガジン】
(NO.528 2012.3.9発行)
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※このメールマガジンでは、大阪コレギウム・ムジクム(OCM)の活動状況、
演奏会、CD発売などの最新情報をお伝えいたします。
┏♪今週の目次♪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
1.一意直到 〜当間です〜
2.邪宗門秘曲 〜オーケストラとの合わせが始まりました!
3.ご好評いただいております 〜この愛しきものに
4.演奏会情報
5.ホームページ更新情報
6.編集後記
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┃日本の芸術水準向上を牽引する演奏活動として、本年度私たちの演奏会は┃
┃ 文化庁文化芸術振興費補助金 ―トップレベルの舞台芸術創造事業― ┃
┃ による助成対象となっています。詳しくは下記公式HPをご参照下さい。┃
┃→ http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/01geijutsu_sien/ ┃
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1.一意直到 〜当間です〜
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今週は、明後日に迫りました第5回名古屋公演プログラムに掲載予定の「演奏
にあたって」を当日に先がけてコレ・マガ読者の皆様にお読みいただきたく、
「一意直到」にかえて転載させていただきます。
* * *
演奏にあたって
期せずして演奏会が一年前の2011年「3.11」東北地方太平洋沖地震(東日本大
震災)と同じ日となりました。
しかしながらこの演奏会、当初から追悼、哀悼、鎮魂、被災者の方々への想い
を中心として計画したものではありませんでした。
早くから名古屋公演は別のプログラムを発表していたのですが、急遽全て変更
を視野に入れてのコンセプト替えとしました。
当日の地震、そしてあの大津波が撮影された動画を今も多く見ることができま
す。あの日の戦慄が蘇り、地獄絵図が脳裏を占領し、いたたまれなく全身が震
えます。その場に居あわせた方々の叫びや、サイレン、救助を願う声が耳から
離れません。
そして!未だに多くの方々が行方不明のままです!!!。
一年間、演奏会や人の集まり、記事などを通じて「その方々の魂は今どこをさ
迷われているのか?さいなまれる気持ちにも似た思いがずっと脳裏を離れたこ
とがありません」、と思いを綴ってきました。
生きている者の役割は何なのか?音楽を奏でる者にとって何ができるのか?
今日の演奏は、私と仲間達の鎮魂の祈り、そして希望へと繋ぎたいと願う切な
る思いです。
■S.バーバー/弦楽のためのアダージョ Op.11
アメリカの作曲家、サミュエル・バーバーが作曲した弦楽四重奏曲第1番の第2
楽章より編曲。また、合唱曲「アニュス・デイAgnus Dei」(神の子羊)として
も編曲されています。曲が持つ穏やかなメロディー、慟哭の嘆きのようなクラ
イマックス。鎮魂歌として演奏したいと思います。
■千原英喜/混声合唱のための「レクイエム」《人麻呂と古代歌謡、ミサ典礼
文による》
日本人のための合唱による「レクイエム」が生まれました。万葉とミサ典礼文
が重なって響きます。
この曲は〈阪神・淡路大震災〉追悼式典のために作曲。二つの大震災を結び、
様々な悲しみや絶望を超えて〈魂の賛歌〉となりますよう渾身の力を込めて演
奏したいと思います。
■G.F.ヘンデル/合奏協奏曲 ハ長調《アレクサンダーの饗宴》 HWV 318
1736年オラトリオ『アレクサンダーの饗宴』の初演の際に第2幕の前に演奏され
たため、この名で呼ばれています。(全四楽章)
ヘンデルを演奏することは私にとって幸せなこと、大らかなその明るい色調は
心から音楽を楽しむことができるからだと思います。
■西村 朗/無伴奏混声合唱組曲「鳥の国」【2010年9月、大阪コレギウム・ム
ジクム委嘱初演作品】
詩人、佐々木 幹郎(ささき みきろう、1947年10月20日)の世界は強烈です。
代表作の一つである詩集『蜂蜜採り』をテキストにした合唱組曲三部作の三作
目(第一作「夏の庭」、第二作「大空の粒子」)として作曲されたものです。
西村 朗氏は《作品解説》に次のように書きます。「遠い過去から遙かな未来
へと脈々と連なる人類の、生と死と再生の神秘を生々しく描出し、遺伝子に眠
る過去と未来の記憶の不思議な接合と重層。その行間には、乾いた、あるいは
湿った神話的世界と、遠くノスタルジックなアジア的風土が広がっている。・
・・・・三つの詩の「鳥の国」「山」「川」は人間の輪廻の接合点、すなわち
生と死と再生の臨界域に存在している。」
■中島はる/女声合唱組曲 萬葉・防人の歌「手放れ惜しみ」
東歌(あずまうた)・防人(さきもり)の相聞歌「門出」に始まり、二曲目
「ふたほがみ」三曲目「空とぶ鳥に」の全三曲からなる。遠く故郷に残してき
た妻や恋人を思い、そして妻や恋人が遠く離れたかの地の夫を想って詠む「防
人の歌」。それに現代詞を組み合わせたテキストを絡ませての合唱組曲です。
離ればなれになって、辛い、哀しい、厳しく生きる愛しい人たち。その思いを
箏、尺八、そしてピアノのコラボレーションで綴ります。日本人の心に響くサ
ウンドとなりました。
■木下牧子/合唱と管弦楽のための「邪宗門秘曲」
北原白秋。近代の詩人として、白秋の文学的位置を決定したのが第一詩集『邪
宗門』。
ここに言葉と音楽と色彩、そして感覚と官能のはたらきを最も高度に生かした
詩人を見ることができます。萩原朔太郎と並んで音楽的性質が濃厚に表れた詩
人です。「邪宗門秘曲」に読まれる世界。往時の切支丹伴天連にまつわるキリ
スト教と神秘的な伝説、そしてその人々がもたらした様々の品々。それは日本
人がはじめて触れたヨーロッパの人とその文明に対する憧れと魅惑でした。
白秋はこの詩に人間が根元的にもつ官能の世界を色鮮やかに表現。当時の耽美
主義文学を代表する彼の処女作です。
日本人が持つバイタリティー。旺盛な好奇心、そしてそれらを咀嚼し我が文化
に連ねる応用力。改めて我が文化の底力と美的感覚を誇りに思う私です。
挫(くじ)けてなるものですか!綿々と続いてきた人の生業(なりわい)を絶
やしてなるものですか!
繰り返される人間の苦悩。しかし苦悩の中にこそ夢と希望が湧き上がり、人と
人とが強い繋がりで結び合う。
被災地の復興を押し進めたいと強く思います。被災された方々と共に未来を創
りたいと強く願いたいと思います。
・・・生きている者の役割は何なのか?音楽を奏でる者にとって何ができるの
か? 今日の演奏は、私と仲間達の鎮魂の祈り、そして希望へと繋ぎたいと願
う切なる思いです。・・・・
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2.邪宗門秘曲 〜オーケストラとの合わせが始まりました!
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来る3月11日、名古屋公演で演奏する“オケ版”「邪宗門秘曲」の、オーケ
ストラとの合わせ練習が昨日から始まりました。
もともとピアノ伴奏と合唱のために作られた曲ですが、作曲家の木下牧子さん
ご自身が企画された第2回個展「合唱の世界」のためにオケ版に書き下ろされ
私たちOCMが初演をつとめました。2001年3月のことでした。
北原白秋と聞いてどんなイメージを思い浮かべられるでしょうか。明治42年、
彼が24歳の時に発表された処女詩集「邪宗門」は、欧州印象派絵画のような
きらびやかな色彩感覚に溢れ、官能的・耽美的な神秘の世界を描いていると評
されます。「邪宗門秘曲」はその詩集の中の1編です。
一部を引用してみますと…
いざさらばわれらに賜へ、幻惑の伴天連(ばてれん)尊者、
百年(ももとせ)を刹那に縮め、血の磔(はりき)背にし死すとも
惜しからじ、願ふは極秘、かの奇しき紅(くれない)の夢、
善主麿(ぜんすまろ)、今日を祈りに身も霊(たま)も薫りこがるる。
論理的、哲学的な意味を求めるというよりも、これらの言葉の、怪しく密やか
でちょっと淫靡ともとれる魅力を味わう、やはり耽美的なテキストだと感じる
のですが…。
この詩を何とも男性的な“カッコいい”曲に書き上げてしまうのが、木下牧子
さんの真骨頂だと思わずにはいられません。弦楽器、管楽器に加え、要所には
打楽器(クライマックスでは銅鑼も!)を配し、徹底的なエンターテイメント
を追求されたのではないでしょうか。
楽器との合わせ練習では、時折それぞれのパートを取り出して練習し、整えな
がら全体を構築していくのですが、これらの楽器の絶妙な用い方、歌わせ方に
は本当に惚れぼれします。今までスコアを見て「ここで銅鑼がなるんだよね」
などと想像し、覚悟(?!)していても、実際音が鳴ると、嬉しくてドキドキ
ニヤニヤしてしまいます!
理屈抜きで詩の魅力、曲の魅力、そして演奏の魅力(*^^*)を味わっていた
だけるステージとなることでしょう。どうぞご期待ください!
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3.ご好評いただいております 〜この愛しきものに
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昨年12/23にCDをリリース、そして今年1/15に全音楽譜出版社より楽譜が出版
され、ご好評いただいております、当間修一作曲/編曲による作品集「この愛
しきものに」。
このたび、楽譜の出版元である全音楽譜出版社が、フルカラー両面印刷の素敵
な販促用チラシを作って下さいました!
こちらからご覧いただけます。
【高画質(オリジナル)版】
http://www.collegium.or.jp/toma_works/toma_works_zen-on_hq.pdf (5.2MB)
【サイズ縮小版】
http://www.collegium.or.jp/toma_works/toma_works_zen-on.pdf (1.1MB)
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4.演奏会情報 http://www.collegium.or.jp/html/ensoukai.html
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■今週の新着情報■
・3/28 マンスリー・コンサートの曲目を追加しました。
■今週の割引情報■
《6/3 第17回東京公演》
早割第1弾実施中!この機会をお見逃し無く!【3/16(金)まで】
早割チケットのお申込はこちらから↓
http://www.collegium.or.jp/html/ticket.html
《3/11 第5回名古屋公演》
コレ・マガ割引(300円引きほか)をご利用ください。
↓お申し込みはこちらから。
http://www.collegium.or.jp/html/ticket_magazine.html
または office@collegium.or.jp まで
※65歳以上割引は各定価より300円引き。コレ・マガ割引との併用も可です。
♪♪学生、高校生以下、65歳以上割引は当日発売及びOCM事務所のみでの
取扱いです。すべてのお問い合わせはOCM事務所(06-6926-4755)まで♪♪
======================== いよいよ今週末です!=========================
■ 3/11(日) 三井住友海上しらかわホール
第5回名古屋公演 午後6時開演
<〈バロックから現代へ〉〜その新しい音に希望の心を託して〜>
◇文化庁文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)助成公演
◇(財)ロームミュージックファンデーション助成公演
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http://www.collegium.or.jp/html/nagoya05.html
料 金:S/5,000 A/4,000 B/3,000 C/2,000 学生/1,800(当日2,000)
高校生以下/800(当日1,000)
〔コレ・マガ割引価格〕
S/4,700 A/3,700 B/2,800 C/2,000 学生/1,800 高校生以下/800
ピアノ:木下亜子 箏:菊武厚詞 尺八:川崎貴久
曲 目:千原英喜/混声合唱のための「レクイエム」
―人麻呂と古代歌謡、ミサ典礼文による―
中島はる/女声合唱組曲 萬葉・防人の歌「手放れ惜しみ」
西村 朗/無伴奏混声合唱組曲「鳥の国」【2010年委嘱作品】
木下牧子/合唱と管弦楽のための「邪宗門秘曲」
S.バーバー/弦楽のためのアダージョ Op.11
G.F.ヘンデル/合奏協奏曲 ハ長調《アレクサンダーの饗宴》HWV 318
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■ 3/28(水) 日本福音ルーテル大阪教会
第354回マンスリー・コンサート【音楽市場】 午後7時開演
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http://www.collegium.or.jp/html/monthly.html
料 金:一般/2,000 シュッツの会会員/1,300 学生/1,000 高校生以下/無料
お 話:当間修一
曲 目:F.J.ハイドン/弦楽四重奏曲第77番 ハ長調「皇帝」Op.76-3
ヴァイオリン…木村直子、南出康子
ヴィオラ…白木原有子 チェロ…木村政雄
L.ボッケリーニ/2つのチェロのためのソナタ ハ長調 G.74 〓NEW〓
(バゼレール編曲)
チェロ…大木愛一、中嶋寄恵
H.シュッツ/十字架上の七つの言葉 SWV 478
「宗教的合唱曲集」より(連続演奏シリーズ)
讃美歌より(鎮魂歌) 〓NEW〓 ほか
☆今後のマンスリー・コンサート【音楽市場】☆
第355回 4月18日(水)午後7時開演
第356回 5月16日(水)午後7時開演
第357回 6月27日(水)午後7時開演
第358回 7月25日(水)午後7時開演
第359回 9月12日(水)午後7時開演
第360回10月31日(水)午後7時開演
第361回11月21日(水)午後7時開演
第362回12月22日(土)開演時刻未定
<クリスマス・スペシャル>
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■ 6/3(日) 第一生命ホール
第17回東京定期公演 午後2時30分開演
「弦の魅力・声の魅力 〜希望を紡いで〜」
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料 金:S席/5,500 A席/4,500 B席/3,500 C席/2,500
学生/1,800(当日2,000)高校生以下/800(当日1,000)
〔早割第1弾価格〕【3/16まで!】
S/3,500 A/2,500 B/2,000 C/1,800 学生/1,000 高校生以下/500
曲 目:千原英喜/混声合唱のための「方丈記」
西村 朗/混声合唱とピアノのための「レモン哀歌」
当間修一/作品集「この愛しきものに」より
P.I.チャイコフスキー/弦楽セレナーデ ハ長調 Op.48 ほか
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■ 今後の演奏会予定
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○7月22日(日)/いずみホール
第22回現代音楽シリーズ
○9月23日(日)/京都府立府民ホール アルティ
京都公演[邦人合唱曲シリーズVol.18]
○10月20日(土)/京都府立府民ホール アルティ
シンフォニア・コレギウムOSAKA京都公演
○11月11日(土)/京都府立府民ホール アルティ
女声合唱団「ゆい」・男声合唱団《風童〜Sylph〜》演奏会
○12月16日(日)/いずみホール
クリスマス・コンサート
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5.ホームページ更新情報
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大阪コレギウム・ムジクムのホームページ http://www.collegium.or.jp/
の最新更新情報をお知らせします。
●当間のトップページ
http://www.collegium.or.jp/~sagitta/index.html
最近の出来事 (12/03/03)
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6.編集後記
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名古屋公演が近づいてきました。自然の強大さ、人間の弱さと強さ、そして、
歌うことの意味をつきつけられたあの時から、一年が経ったのだなあと思いま
す。一人でできることは本当に小さいですが、想いを少しでも表すことができ
るように、頑張ろうと思います。(三上陽)
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http://www.collegium.or.jp/html/cdrwww.html
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http://www.collegium.or.jp/OcmMerchant/
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