1997/5/18
<第二回合唱教室ゼミナール・和声法の実践の巻>

(今回の担当:SOP倉橋史子)

ハイキングの報告から、だいぶ日が経ってしまいました。
我団は、日々みなぎるエネルギーでもって動いているアメーバの様な(ちょっと、気色悪いですね?)体質を持っている“超元気”の集まりなので、報告する事が多すぎて、困ってしまいます。先週から、レコード店での初めてのライブなどもあって、 お伝えしたい事が山済みです!

先週の報告なのですが、今回は、五月九日の行われた合唱教室のゼミナール「和声法の説明」の第二回目の様子を報告します。今日のゼミは実践編(応用に向けて)です。場所は阪急・曽根にあります、豊中公民館の多目的ホールで七時から行いました。
先生は、その前からお休みをされていましたので、団員の前に姿を現されるのは、久しぶり(といっても四日間ぐらいですが・・)で、このゼミナールは楽しみでもあり、ちょっと緊張もあり、でもやっぱり楽しみ・・という様な、雰囲気で、皆は揃い始めました。なんで「ちょっと緊張する」かというと・・・
そうなのです!たんまりと宿題が出ていたのです!(合唱日誌日4/4を参照) まじめな皆の事です。忙しさの中で、「転回形」のピアノの練習に余念がなかったはずです(ホントかな?)。前回の約束は、一人ずつ前に出てきて弾いてもらうぞ!という事だったので、内心冷や汗・・の人もきっといたはず、だと思うのです。
当間先生は、午後七時に笑顔で、元気に登場!しかし、この日なぜか、なぜか、メンバーの集まりが悪く、いつもに三分の一くらいの集まりだったのです・・。
「皆、来てるか?」と訊かれた私は、「いえ、ちょっとまだ、集まりがわるくって・・」と答えますと、先生はちょっとニヤッとして「皆、逃げよったなああ〜」と 言われました。「そ、そんな事はないでしょう」と言いましたが、真実は“謎”のままです・・。しかし、徐々に仕事を終えて皆集まり始めて、ゼミは始まりました。
当然、五線のある黒板はありませんから、ホワイト・ボードにペンでいちいち五線を書かなければならないので、「消すのもったいないなあ〜、また書かなきゃならない。だんだんいがむなあ。許してな。手間やけど、頑張る」と言いながら、ゼミは進められます。先生は最初から大忙しで大変そうです。(これを何とか改善したいです。当たり前ですが、五線の黒板ってやっぱり学校にしかないですもんねえ・・う〜ん)
まずは、三和音についての前回の復習です。三和音を覚える方法、「それは、毎日弾くこと!」。でも「毎日やる!」これがホントは一番難しいんですよね。 そして、和音の転回形の実践です。だんだん皆の緊張の時間が迫ってきます。
基本形、第一転回形、第二転回形、合唱における四声体の音の成り立ち(しくみ)、重音の作り方、根音の役割、第三音の扱い(なぜあまり重ねてはいけないか。実は、短調と長調の性格を決定づける音なので、昔から敬遠されたそうです。なるほど!です。しかしもう現代では、どんどん使われつつあるそうです)開離位置と密集位置、平行五度と隠伏八度・・・ゼミはどんどん進んでいきます。
先生の講義は楽しく、本当によく解る説明をして下さるのです、が、中身が濃ゆく濃ゆくて・・・・。
こうやって書いていくと気付くのですが、この内容って音楽大学の音楽理論(学生時代は「おんり」と言っていた)の一回生の前期分くらいの内容の量なのです・・。それを、一時間半で理解するには、脳が熱くなるというか、目が回るというか、「ああ、学生の時はこんな授業の聞き方してなかったよなあ・・。 何て今、ホントの勉強してるんだろう!」なんて、ヘンテコな感動をしてるのは、私だけでしょうか・・?
先生の講義では、「目からウロコが・・!そうか、なるほどね!」の話がいっぱい出てきます。高校、大学の授業では、たぶん聞けない(聞けなかった)話が、盛り沢山で、私は頭が電球の様に膨れ上がる様な感覚になってしまいます(帰り、皆がこうなってたら気持ち悪いですね・・)それと、同時に「勉強しよう!」と思います。

さて、途中先生からこんなコメントがありました。
「こういうゼミでは、何かの事情で、遅れて来る人が必ずいるでしょう。 そうしたら、どんどん訳解らなくなるよね。だから今から一生懸命、宿題を必ずやって来る事です。そして、解らない事があったら必ず訊いてきて下さい。 そうしたら、結果何が起こるかというと、歌っているルネッサンス、バロック初期、バッハの音楽も一応分析が出来る様にしてあげますから。「その楽譜のどこが大切で、どういう楽譜の見方をしなきゃいけないか」が解り、全部見なくても、スコアリーディングしなくても、「感」で弾ける様になります!そこまで行ったらもう一人で勉強できるので、それがこのゼミの目標なんです」。
「それが究極の目的か・・!」一瞬シーンとなって、皆の中から、溜息が聞こえました。
すぐさま「うっそー!というかもしれないけど、ホントよー!」と先生は笑って言われました。皆、ホッとして笑っていました。

その後、お待ちかねの(?)緊張の瞬間(指定された調の転回形と宿題の課題問題を前で一人で弾く)がやってきたのですが、時間が無くなってしまい(内心ホッとした人もいた?)、指名された人が弾く事になりました。しかし、左手でも弾けないとダメよ(そうです!通奏低音は左手でした!甘かったあ!)と言うのを聞いて、皆の手が上がらなくなってしまいました。そうです、皆、悲しいかな右手しか練習してこなかったのです・・。
私が今回、興味深かったのは「全部見なくても弾ける」という数字付低音の話です。 またその実践もあると思うので、楽しみです。
最後に副指揮者の長井さんから「左手の指使い」についての質問があり、(彼は実は影で一番練習してるんじゃないでしょうか?努力の人(くまさん)です)。
これで皆、きっと左手もうまく動く様になるでしょう。

でも、皆の前で一人で慣れない事に取り組むって、勇気がいりますよね?
「これやってる間にもっと人が少なくなっていかないか、それが私は心配だ・・・・」
皆、爆笑!
笑いながら、ちょっと声をひそめて「休まないように・・」。
「こうやってやっていく間に、音楽の隠された秘密の様な事も、ちゃんと話していけるんじゃないかな、と思って私は楽しみにしてるんです。」と先生は最後に言われました。
先生、大丈夫ですよ。皆も楽しみにしておりますので!

このゼミは、音楽に興味のある方なら、どなたでも聴講できます。
次回この続きのゼミは、六月六日(金)、阪急・宝塚線「曽根駅」下車。豊中公民館四階・多目的ホールにて午後七時半より行われます(聴講費は400〜500円です)。
当間先生の為になる楽しい講義と、シュッツ合唱団員のちょっと困っている真剣な顔(皆、失礼!)がごらんになれると思います。一度、参加されてみませんか?お待ちしています。


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