1997/9/27
<明日9月28日!邦人合唱曲シリーズへのお誘い>

(今回の担当:SOP 倉橋史子)

急に涼しくなりました。久々の更新です。今年の九月は、残暑が長かったですねえ?
やっとやっと、この何日間で本格的な秋の気配ですが、皆さま、お元気ですか?
この頃の気候は、気温の変化、気圧の変化などで、風邪を引きやすいらしいので、
体調には気を付けて下さいね!
さて、いよいよ明日に迫りました「邦人合唱曲シリーズVol.3」です。
今回のプログラムは、もうご存知の様にオール柴田南雄作品です。
曲目について少し書いてみますと、一曲目の「3つの無伴奏混声合唱曲」は柴田先生が1948年に書かれた曲で(私など、まだこの世に生まれてないですね・・)北原白秋の「水上」「早春」「風」が歌われます。生前、先生は「この作品は習作だよ」とおっしゃっていたらしいのですが、いえいえ、このお若い時の作品のメロディーの中から、後に生み出される大曲の片鱗が感じられる美しい小品になっています。しかし、当たり前の事ですが、こういうシンプルなアカペラほど、ホントは一番難しいんです。ハーモニーやリズム感、詩へのアプローチなど、
苦労しています。

二曲目は「自然について」。この曲は、一言でいうなら「面白い」!です。
テキストは、「自然科学の法則や物理学」なのですが、「この難解(私にとっては) な文章に、よく曲をおつけになったなあ!」と団員は、感心と感動する事しきりでした。私などは、もしこの曲に出会わなかったら、一生「相対性理論」について思いめぐらせるなんていう事はなかった、と思うんです。難解ですが、幸いウチのメンバーの中にこの方面が専門の「好き者」の人がいっぱいいて、熱心に教えてくれました。 でも・・恥ずかしながら思う事は、大昔の人(科学者)って本当に凄かったんですね。自分の首(命)をかけて研究を成就させたのですから。この「自然について」で覚えた人名、地名がたくさんあります。物理化学専門の方が聴かれると、きっと「プッ」と笑える箇所がいっぱいあると思いますよ。
柴田先生の茶目っ気もチラッと感じられる、そんな作品です。

三曲目は「無限曠野」。これが、遺作となりました。
内容は、一言では難しいのですが、「戦争に対する怒りと虚しさ」でしょうか?ドキッとする歌詞が随所に出てきます。曲の中に「強烈なメッセージ」を感じます。3月に演奏しました時は、ちょっと「強烈」すぎて客席を驚かせてしまいました(?)。
今回はどうなりますか、お楽しみです。

柴田作品を演奏する時、いつも新しい事象を教えられます。
今まで知らなかった(興味がなさすぎた?)分野の本を、あわてて買い込み、読みあさるのも、柴田作品を演奏する時です。若い世代に、過去の偉大な産物を知らしめ、考えさせる柴田作品と、私も出会えた事に感謝しています!

この三曲を一度に、聴ける事は珍しい(まずない!)プログラムだと思います!!
今回は、録音も兼ねた演奏会になりますが(キンチョウ〜!)、
京都での秋の一日、私達の演奏と共に時を過ごして頂ければ幸いです。
京都アルティホールにて、午後6時30分より開演です!

多数の御来場、お待ちしております!

                      


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