1997/8/30
<私達の愛器!エーザイのスカイナー2!! >

(今回の担当:SOP.倉橋史子)

今日は、一つとってもいいお話をさせて下さい!

私達が、ドイツに行ってから、もうかれこれ一ヶ月が過ぎようとしていますが、 その時に起きた一つの事件と、その解決について、です。
ドイツに発つひと月前から、私達のメーリングリストを賑わしていた、一つの話題がありました。それはですね「変圧器と吸入器について」なのです。
行かれた方はご存知かと思いますが、夏のヨーロッパは空気がとても乾燥しています(何といっても、ホテルの部屋に朝干しておいたジーンズが夕方にはパリッパリに乾いているのですから!そりゃもう、すごいです!)。初めてヨーロッパに演奏旅行した時、私達は大阪弁で言う「えらいめ」に合いました。ノドの強烈な乾燥感は、私達にとっての忘れらない教訓となったのです。水をふんだんに飲めればいいのですが、ガスの入ったものしか手には入らなかったり、においが鼻についたり、で 難しいのです。(ご存知の通り、ワインとビールは抜群!なんですけど)
「連日のハードなコンサートを乗り切れる、ノドを守るいい方法はなんかないかなあ」・・そこで、私達が考えついたのは「いつも愛用している吸入器を持って行ったらどうだろう?」という案でした。風邪の予防にもなるし、もしもの時にノドの炎症は治まるし、乾燥は和らぐしで、これはまさにグッドアイデアだったのです。
私達のお気に入りの器種は、主治医の阪上先生(じゅずしゅっつのページ参照)ご推薦のエーザイのスカイナー2です!これは、ホントに、とてもとっても良い吸入器なのです。(10分も使うと、鼻もノドもホントにスッキリします。少しぐらいの風邪は楽になります。暖かくて気持ちがいいんですよ!私などは、本番や旅行に出かける時はいつでも持って行きます。まさしく「楽屋の友」です。ノドを使う仕事の方、そしてアレルギー性鼻炎の方には絶対お薦めですよ。薬局で買えます)
「では、持って行くには変圧器が要るぞ!」という話になり、このスカイナーを製造している会社に問い合わせて教えて頂き、念入りに確かめた上で、その変圧器を購入して「これで、カ〜ンペキ!」とばかり、皆で勇んでドイツに旅だったのです。・・・が、一日目の演奏会の前夜「さあ!やってみよう」と何人かが使用したところ、・・・最初から全く動かなかったモノ、一回電源が入った後、二度と使えなくなったモノ、最初は調子よく動いていたのに、朝になったら死んじゃってたモノ・・・一つずつバッタバッタと、愛しいスカイナー達は“倒れて”行きました・・。この時の悲しかった事といったら・・。
「う、う、うそやろ、うそやろ!」という感じでした(きっと、どの部屋でも「悲しみの叫び」が起こっていた事でしょう)。三日目くらいだったでしょうか、これ以上被害が出てはいかん!と「スカイナー使用禁止令」が発令されたのです(ちなみに発令は、わたくし・・)。かさばるのも覚悟して、せっかく持って来たスカイナーは、いきなり無用の長物化してしまい、私達を嘆かせました。(半分、笑ってましたが)

そして、ここからなのです! 相談の結果、これは最初に問い合わせた製造会社に、「一度見てもらおうよ。そして、“この器械は海外での使用はできません”と書いた方がいいですよ、と教えてあげた方がいいんじゃない?」と言う話になり、先に帰国したソプラノの内浜さんが、まず、変圧器を添え器械を会社に送りました。その後、帰国したメンバーは、手紙を添えて「どっさりこ」とまとめて製造会社に送りました。(さぞかしビックリされた事と思いますよ。でも私達にとって“愛器”なので、何とかして頂きたい気持ちで一杯だったのです)
それから、何日かして、こんな返答はありました。
「ご愛用ありがとうございます。こちらが最初にお教えした変圧器の種類がどうも違っていた様です。その為内蔵マイコンが壊れた様です」と非を認めた上、「全部」を無料修理して下さいました。その上になんと・・私達が買ってしまった変圧器でも使えるという、旧型のスカイナー(倉庫で眠っていた、とおっしゃるのですが・・)を、一台ずつ、送った全員に下さったのです! (つまり、元の器械に、もう一台ずつ付いて返って来たという事です!)
最初にこの話を聞いた時はビックリしてしまったのですが、私達の事情をよく考えて下さった、この誠意ある対応に一同大喜び!そして大感謝!大満足です。

静岡市の美光メック工業株式会社の皆さん、どうもありがとうございました。
私達は“お客さんに対する誠意とは何ぞや?”という事を、身を持って教えて頂いた様な気がしています。お手本にしなくちゃと思います。
だって私達にも、大勢のお客さんがいて下さるのですものね。

誠意ある対応=誠意ある音楽・・・・ ん〜言葉にしてしまうと、なんか嘘っぽいですね。

でも、今回の事を、メンバーはず〜っと忘れないと思います。


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