2000/4/10
<神戸での「ヨハネ受難曲」を終えて>

(今回の担当:SOP.倉橋史子)

昨日、神戸でのヨハネ受難曲の演奏を終えました。
昨日はまさにお花見日和でしたね。(^^)
私自身、素晴らしく天気に良い日の演奏会は心なしか気分が良いものでして、
しかし「皆さん、今日は演奏会に来るより遊びにいってしまうんじゃないかしら・・」という不安も少し抱きつつ、神戸に向かいました。
案の定、途中の阪急・十三駅の神戸線ホームは、かつて見た事のないほどの 混雑ぶりで「なんか私達も遊びに行きたくなっちゃうねえ〜」などとジョークを飛ばしながらメンバー達と電車に乗りました。
ゲネ始まりは、一時半。舞台セッティングは、うちの合唱団のスーパー・ステマネ(影でそう呼ばれている!?)である小野さんの指示で男声陣が迅速に動いていきます。
こういう時の男性陣は、手慣れたもので、どの顔も凛々しく、頼もしく見えま す。
今回、特に準備がスムーズに進められた事は、先週のオケ合わせで一度使わせて頂いていた事が大きかった様です。(ミカエル教会の方々に本当に感謝致します!!)
ゲネは、“あとは本番一発”の部分を残しながらスムーズに進み、なんと!開演2時間前にゲネが上がりました。こういう事は私達の演奏会では大変、珍しい事なんです。
(「ヨハネ」は、精神も肉体も極限に近いエネルギーを要するので、この休憩時間は大変貴重でした。とても良かったです。)
そして、開場10分前。「お客さんが早くから詰めかけられた為、開場を早めた」という情報を伝わりました。「スゴイ!よかったね〜!」と同時に「響きは大丈夫だろか?」という不安が頭をよぎりました。
しかし、じたばたしても、これだけはもうどうにもなりません。(笑)
「その中でベストを尽くすしかないな。やるしかないか。」と腹をくくって(?)、
舞台に上がりました。出る際、マネージャーが興奮した様子で「一杯やで!!」と声をかけてくれましたが、まさしく満員状態!!
初めて見る多くの神戸のお客さんに混じって、「シュッツの会」の会員さんや団員の皆の姿が目に入ります。
期待に満ちているこの空気に、胸がぐっとくる瞬間。
音を出す前の、この空気が好きで私は舞台に立っているのかもしれません。
今から2時間、このドラマを演じられるかどうか、バッハに近づけるかどうか、
1曲目が始まりました。第1部は、やはり時間の流れ方が早く感じられました。
しかし、後ろまで届いているのかどうかちょっとわからない。
今ひとつ、手応えが返ってこなかったのです。

「もしや届いていなくて、インパクトが薄いのかも・・」

休憩時、作戦会議・・とまでは行きませんが、響きの無くなってしまった(あまりにゲネと変わってしまった)空間をどう創り変えるか、どう伝えるか、 先生を囲み、わずかの時間で意見の交換をし、『意を決して』の第2部です。
第2部の緊迫したドラマのクライマックスまで、全身全霊で歌います。
すると少し、お客さんの様子が変わってきました。表情が変わって来たのです。
「少し動いた・・!!」。
後は、最後まで突っ走るだけでした。
またまたソプラノが'「巨大」(男声に恐れられている・・)になってしまった感があり反省する所なのですが、(きっと、ご指摘されるでしょう・・)
最後まで聴き終えて頂いた方に、どの様なメッセージを届ける事ができたのか、と考えながら、今日は脱力状態で、ぼ〜〜っと過ごしております。(笑)
御感想を頂ければ幸いです。

明日から、5月6日(京都・アルティ)に向けての「ヨハネ」の練習、そしていよいよチケットが発売になりました6月25日の現代曲シリーズに本腰で取り組みます。

そして、やはりお花見はありませんでした・・。
超・残念。(笑)


Back

Next