(今回の担当:Sop. 小野容子)
奏者を舞台へ送り出し、いつものように舞台袖の小さな窓から舞台を、そして客席を覗いておりました。暗い舞台袖からは照明のあたった舞台が一際輝かしく、熱気に満ちて映りました。
いずみホールの本番では下手(客席から見て舞台左側)側の袖にホールスタッフと一緒に控えているのが通常なのですが、この日ばかりはわざわざ上手(客席から見て舞台右側)の袖へ行き、バス椅子を持ち出してドアの小窓の前に腰掛けて一人で演奏を聴くことにしました。
・・・仕事もせずに聴くことに集中したかったわけですね。(^^;)
オケ合わせの時から凄い演奏なのは知っていました。
ですが、本番であんなにもエネルギーと集中力を増してパワーアップされた演奏になるなんて・・・!
今までもシンフォニア・コレギウム大阪(以下SCOと略)演奏のベートーヴェン作品を聴く度、「生きててよかった」と思う瞬間があったのですが、このときの演奏では格別にそう感じました。
・・・変な表現ですが、ほんとに「今生きていてこの空間に遭遇できていること」が嬉しくて嬉しくて!という気持ちにさせられてしまうのです。
他の作品の演奏でもいっぱい感動していっぱいエネルギーをもらうのですが、何故でしょうか、特にSCOのベートーヴェンでは理屈抜きでそう感じるのです。
そしてその瞬間にはもう涙が勝手に溢れておりました。
泣くのがわかっていたから一人上手の舞台袖で聴いてたわけでは
ありませんよ。(^^;)
我ながらまさか泣くとは、しかも最後まで泣きながら聴くとは
思いませんでした。これはステージマネージャーを初めて以来の
初めての事でした。当たり前ですよね、仕事として演奏会の進行を
担当している者が仕事中にそんな毎回泣いてられないですよね。
でも、このときだけは本当に特別だったのです。
涙の溢れる目で客席の方を見ると、お客様もじっと食い入るように演奏を聴いていらっしゃいます。2Fのバルコニー席では小さな男の子が手すりに捕まって身を乗り出し演奏を見つめています。
泣いていたのは私だけではないようです。
終演後、たくさんの方から「こんなに生き生きとしたベートーヴェンは
聴いたことがない!」と感想を頂き、興奮さめやらぬ様子でホールを
去っていく姿を目にしました。
さて、今年のベートーヴェンシリーズは交響曲第2番と第7番。
先日はじめての合わせの練習を見学しましたが、やっぱり凄い!!(@@)体の細胞から「うぉ〜っ!」と感じてしまう演奏です。練習の時からこれですから、本番はもっともっと凄いことになるかと思うと今からもう興奮です!(しかし今年は泣かずにちゃんと仕事をせねばっ。)
是非是非、皆様とこの興奮と喜びを共有できれば本当に幸いです。
どうぞホールまでお越し頂いて、体じゅうで<SCOのベートーヴェン>をご体験頂ければと思います。
合唱団とオーケストラの演奏もございます。
滅多に聴く機会のない、ベートーヴェンの小品を取り上げております。こちらも合唱とオーケストラのアンサンブルとハーモニーを短い時間ではありますが、色濃くお聴き頂けることと思います。
どうぞご来場をお待ち致しております。
2002年10月14日(月休) いずみホールにて
開場/15:30 開演/16:00
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