2003/1/8
<恒例のスキーツアーに初参加して>

(今回の担当:Sop. 若杉彰子)

2002年お正月、当合唱団では恒例のスキーツアーが長野県は白馬でおこなわれました。私は今年、初参加。初日、時折突風が吹きますが快晴です。初心者クラスには、一人ひとりに先生がついて最初からしっかり教えていただきます。(すごいぜいたくでしょう!)
初心者クラスには、私と同じくソプラノの中村さんが参加。そして女声合唱団りんどうから、飯沼典子さんが。そして娘の瑞貴ちゃん(小4)と、亮介くん(小2)も。亮介くんはせっかちさん、朝みんながスキーの準備をしていると、
「ねえ、ねえ、まだあ?僕すべりたいんだけど」
「あ?君すべれたっけ?」
私は中橋さん(アルト)に教えていただきました。まずはボーゲン(ハの字)から、斜滑降、ターン。慣れない用具を使って、一日中滑ったり歩いたりしました。これがなかなか難しい!「歩く」作業ひとつにしても、エッジ(スキー板のへり)をしっかりと立て、右足左足、えっちらおっちら、力いっぱい前進します。ああ、どれだけ足腰を使ったか。その日の夕食はすごい勢いで食べまくりました。部屋へ帰ると、同じく初心者クラスの中村さんがいました。どうやらだいぶ転んだらしいです。全身が痛い、といって横になっていました。

2日目。斜滑降、ターンの続きから。昨日よりは恐怖感がなくなり、少し楽しさも出てきました。当間先生から、
「踏み込みが足らない」
と言われました。言われた通りに力いっぱい、踏んでみます。するとエッジがくっ、と雪に食い込むのがわかります。も一度、踏む!-くっ、と雪に食い込む。
少しずつ速く滑れる様になり、またリフトに乗って上ってゆきます。
「ほら、瑞貴ちゃん」
と、一緒に乗っている中橋さんが指差します。教えているのは、ソプラノの鈴川さん。瑞貴ちゃん、がんばってます。向こうには、中村さんの姿も見えました。その横ではソプラノの田坂さんが彼女を教えています。遠くからですが、田坂さんが全身を使って、いっしょうけんめい説明しているのが伝わってきました。その横で、中村さんがひたすらその声とスキーに集中していることも…。

リフトを降りました。すると…。なぜか私を待ちかまえている人たちがいます。べべんべん(京都外大混声合唱団ソレイユの卒業生によって結成されたアンサンブルメンバー)です。
「どうしたの、みんな?」
と問うと、
「べべんべん隊で下ろう!」
というのです。みんなにこにこ笑ってます。
初心者の私を先頭に、べべんべん隊いざスタート!斜滑降、ターン、斜滑降、ターン…、順調です。ところが突然、急斜面になってきて、「あっ」という間もなくスピードがついて、止まりません。踏み込めど踏み込めど、そのスピードは増すばかり。でも踏んでターンするしか仕様がありません。ついに転んでやっと止まることができました。後からきたべべんべん、驚いて、
「そんなに急がなくていいよ」
と言うのですが、実は単にスピード調節ができないだけなのです…。
そこで、りんどうの、飯沼ママ発見!実はソレイユの大先輩。そろって、みんなで写真をとりました。

日が暮れて、スキー場に人が減り始めました。午後からずっと雪は止まず、私も冷えた体を暖めにカフェへ向かいました。コーヒーを皆で飲んでいると、田坂さんから連絡が入りました。今、中村さんがこちらへ向かって下りて来ている、と言うのです。みんないっせいに、ガラスにへばりついてゲレンデの方を見やりました。
外はすっかり暗くなり、圧雪車が横で待機しています。目をこらして見てみると、オレンジ色のウエアがふたつ、遠くに小さく見えました。カフェを出て、二人を迎えに行く人もいます。やがて二人が下り終えると、交代するように圧雪車が上ってゆきました。
「毎年なにかしらドラマがあるなあ」
と横でポツリとつぶやくのはテノールの阿部さんです。中村さんはここまで下るのに、ほとんど転ばなかったそうです。

翌朝、雪は止み、まぶしい晴れ空の下、皆で宿を出発しました。積もった雪がきらきらと目にまぶしく光ります。おみやげに、と一人ひとりにりんごや干柿をくれた、宿のおじさんとおばさんが、いつまでも手を振ってくれていました。角を曲がってさいごの一人が見えなくなるまでずっと…。さあ、大阪へ帰りましょう。帰ったら、オーディションが待っているのです。


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