2006/4/23
<「ヨハネ受難曲向けの合宿がありました。」>

(今回の担当:Sop. 嶋 宏子)


 4月29日(土)のヨハネ受難曲の演奏会まであとわずかとなりました。  
毎週の練習も自ずと熱気を帯びてきております。
 そんな中、4月15日(土)〜16日(日)には、ヨハネ受難曲向けの合宿が
滋賀県湖北のマキノで行われました。

 15日(土)に仕事を休めなかった私は合宿初日を遅刻しまして、
合宿場に到着したのは午後5時頃。練習場のドアのガラス越しに中を覗くと、
なんと!メンバーが大勢、まさに床に倒れ伏すその瞬間が目に入りました。
う!今、イエスが死んで、神殿の垂れ幕が真っ二つに避け、地震が起こって・・ってシーンだな!
と、合唱歴よりもクリスチャン歴のほうがはるかに長い私には、すぐにわかりました。
わ〜!なんか凄い!面白そう!!

 ヨハネ受難曲はヨハネによる福音書の18章1節、ユダの裏切りによりイエスが捕らえられるシーンから、
19章30節の十字架上で死なれるシーンまでが、エヴァンゲリストによる語りと、
ユダヤ人群集やローマ兵達の合唱、アリア、そしてコラールによって表現されています。
今回の演奏ではイエス、ピラト、エヴァンゲリストなどの主な登場人物の他、
舞台上を歌いながら動く合唱隊と舞台袖に並んで歌うコラール隊に分かれて演じます。

 合宿2日目は朝から衣装を着て、動きも付けての練習です。
この衣装が相変わらず「衣装部ってエライ!」と思わずうなるデザインです。
ユダヤ人とローマ兵の二役を演ずる人もいるのですが、着替える暇などありません。
でも大丈夫なように出来ているのです。そしてかっこいい!
この衣装は是非沢山の人に見てもらいたいと思います。
 
 1部のペトロの否認のシーン。
群集の視線にさらされ、イエスの目を思い起こし頭を抱えて嘆くペトロ(内野君)の姿を見ると、
コラールを歌う気持ちも盛り上がります。内野君は嘆くぺトロをうまく演じます。
そしてイエス役の浅野君の演技が見事です。死刑を宣告され、
茨の冠を押しかぶされ鞭打たれるイエス(浅野君)を見てると、
あぁ、きっと茨の冠の棘で血が流れ、鞭打たれた肌に血がにじんだのだろうなぁ(舞台では血は出ませんが。)
という気がしてきます。
イエスを平手打ちにしたり鞭で打ったりするローマ兵役の飯沼君も迫真の演技です。
こうして歌とともに演じられるシーンを見ていると、イエスの受難はまさに私のため、
イエスを受難の道に送ったのはまさに私、私はイエスの受難のお陰で魂が解放された・・と、
改めて感じることができ(このあたりはクリスチャンの役得?)コラールにその気持ちを重ねる事ができました。

 今回のヨハネでは舞台上での群集の動きがとてもユニークで、シンボリックでもあります。
特に十字架上のイエスを見上げるシーンからは、舞台上に人文字が現れ、象徴性を増します。
どんな文字が現れるかはここでは書きません。どうぞお楽しみに。
とにかく、こんなヨハネの舞台はちょっと無いと断言できます。

 コーアマスターのチカさんがお昼休みに「大変なことになってきたね。」と言いました。
「面白いですよ。」と私は即答しました。そのとおりです。大変な舞台になる予感がします。
客席で観たいくらいです。本番まであと少し。一生懸命練習します。
是非、この「大変な」舞台を沢山の人に見に来て頂きたいです。
そして、是非、抑えられた中にも臨場感あふれる舞台の演技を前に、
素晴らしい音の響きの中に身を置いて頂きたいと思います。

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