2007/3/23
<「人間と死について 合宿にて」>

(今回の担当:Alt.前嶋裕子)


合宿のたびに思うことですが、今回はいつもに増して「あっという間」の二日間でした。 初めて演奏する現代音楽、というとまどいもあったのですが、何よりも柴田南雄さんの作品「人間と死」に圧倒されてしまったということのほうが大きいと思います。
どう咀嚼するのかと考える間もなく、練習が始まった瞬間から作品世界に引きずり込まれました。
団員の先輩方には、「“これ”が快感になるとやみつきになる」とか、「調性がないといっても、あるから」とか、謎のようなことを聞かされていたのですが、その言葉の意味が少しわかったような気がしました。

 「人間と死」というタイトルのとおり、重いテーマを扱っているので、テキストの内容に必死でついていかないと、そのテーマにはじきとばされるように感じます。どこまでそのテーマを現実にすることができるか、言葉に意味を持たせることができるか、柴田さんの作品は、それを演奏者に強く求めているように感じました。

 とにかく合宿練習中は、驚きの連続でした。そして確かにあの空間は、やみつきになりそうです。

 室内合唱団の演奏は、いつもながら素晴らしいアンサンブルで、本番の「原体剣舞連」その他に、今からワクワクしています。どんな演奏会になるのか、すでに私の予想を越えていますが、本当に楽しみです。


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