〈こども哲学〉
「よいこととわるいことってなに?」の題名にひかれて本を購入しました。
「おなかがへったら、どろぼうしてもいいとおもう?」
「ひとにやさしくしようとおもう?」
「どんなときでもおやのいうことはきかなきゃだめ?」
「おもったことはなんでも口にするべきだろうか?」
「いつでもしたいことしていいのかな?」
「こまっているひとがいたら、たすけてあげる?」
こんな問いにはじまって、問答が続いていくのですがこれが結構おもしろく、またハッとさせられたりして考えさせられます。
子供向けの本です。小学校で哲学をやってみたい夢をもったオスカー・ブルニフィエさんが文を書き(日本語訳は西宮かおりさん)、挿絵はクレマン・ドゥヴォーさんという組み合わせ(この挿絵すきです!)。
この本、シリーズになっていてすでにもう一冊「きもちってなに?」が同時に発売になっています。
「おもったことはなんでも口にするべきだろうか?」にいまの私、興味がいきました。(笑)
「ひみつにしとくってやくそくしたら、言っちゃだめ。」という問いにこんなことが書いてあります。
「ほんとにほんとのひみつだったら、きみにひみつじゃなかったのは、なぜ?」
「『言っちゃだめ』なんて言う権利、いったいだれにあるんだろうか?」
う〜ん、そのとおり!(笑)
そしてこの項目の最後にまとめがあって、こんなことを書いて結んでいるのです。
「・・・きみにとって、みんなにとって、ほんとうのことがもつ意味を、しっかりこころにとめておくこと」
「・・・ひとと話をするときは、相手のことを考えて、相手の立場にたってみること」
「・・・言ったほうがいいことと、言わないほうがいいことと、きちんと見分けをつけること」
「・・・自分の気持ちをあらわす手段は、ことばだけじゃないんだ、って気づくこと」
こどもたちに考えてもらいたいというのがこの本の趣旨でしょう。
そのためにすぐ答えを書いたりしないで、いくつかの質問・問いかけをする構成になっています。これがいいですね。いやにリアリティがあります。
最近、もうすこし考えられたらいいのに・・・って思う大人に出会うことがあります。
バスの中、電車の中、飲み屋さん(笑)、とくに「電車」の中はその宝庫です。(笑)
フッとその題名にひかれて手にとった児童書でした。
この本の最後、絵のクレマン・ドゥヴォーの紹介記事にこんなことがかいてありました。