No.568 '04/9/18

ハンブルク、そして帰国


オプショナル・ツアー5日目、8月20日(金)。
ハンブルクに着き、一度ホテルに入って荷物を置いてから市内観光に向かいます。(3時20分)
さぁ、先ずは聖ヤコビ教会(St. Jacobi-Kirche)です。
ここはオルガニストにとって大事な教会です。なぜならば、バッハも演奏したというオルガンの名器「シュニットガー・オルガン」があるからです。
しかし、あいにくの雨。
本格的に降ったものですから、教会を目の前にして雨宿り。少し待ってから教会へ。

教会に入ると「シュニットガー・オルガン」が光ってました。(笑)聴いてみたかったけれどそれは叶わず。
では「歌ってみよう」と教会の方にお願いです。
OKが出て歌い始めます。

ちょっと響きすぎるようです。教会は同じような作りでも、響きはそれぞれ異なります。この大きさでは響きがもう少し押さえられるかなと思ったのですが意外に響きました。
ゆっくりな曲でも和音が重なって聞き取りにくかったですね。

それでも聴いて頂いていた観光客からは拍手。そして終われば質問です。私はひたすらビデオを回しています。(笑)知らぬ顔して対応を皆に任せます。(笑)
教会の方にも喜んでもらったようでしたね。

さて、次はもう一つの訪問目的である聖ペトリ教会へ(St. Petri-Kirche)
ペトリ教会へは4時40分、到着。
この教会、ドイツで演奏を始めた最初の教会なんです。ここからドイツでの我々の演奏史が始まったわけです。今から15年前です。
懐かしい教会。と言いたかったのですが、何故か教会に入ってもピンと来ないのですね。
この辺りに座り、この辺りで歌ったよね、この辺りに見覚えがあるなぁ、といった感じ。いかにその時の印象が薄らいでいるか、いや、その時の緊張が凄かったということかもしれません。
歌った皆にも「覚えている?」と聞くのですが、同じような意見です。(笑)
しかし、行った皆がハッキリ覚えている場所がありました。
それが、コーア・マスターを務めてくれている倉橋史子が洗礼を受けた部屋です。
教会に入ってすぐ左側にある小さな礼拝堂。それは皆ハッキリと覚えていたのですね。

小さなその礼拝堂に入ります。
倉橋史子の洗礼。それは、私と出会い、シュッツ合唱団と出会い、さまざまな人と出会い、音楽活動を通じて体験した彼女の生涯の中で最も劇的な瞬間だったと思います。
その時の様が鮮烈な印象でよみがえります。
当時の団員たちが洗礼式に臨みました。

今、再びその場にいる彼女。「ここに座っていたね」と言って当時のままに並べられている椅子に彼女は腰掛けます。
人の一生、人生の重みを考えさせられる静かな一時でした。


ここでも歌います。


教会の方がとても喜んで下さいましたね。
この後、倉橋さんは洗礼を授けて下さった牧師にご挨拶です。(今でもこの教会の牧師を務めていらっしゃいます)


さて次は電車に乗ってライナー君の新居へ。(18時)
電車で可愛い赤ちゃんが前の座席に。
興味深く見つめているものですから、ちょっと遊んでみました。
お母さんはちょっと緊張してましたが最後には笑顔も見せて頂けましたよ。
我々が降りるとき、その赤ちゃんにお母さんに許可をもらって「マジパン」をプレゼント。食べてもらえたかなぁ。
駅に着いたのが18時11分。家まで3分です!(近い)

ライナーの新居、それは只今増改築中、彼はそれを私たちに見せてくれるというわけです。
これがその家です。

この家、築70年だそうです。(驚き!)
羨ましい限り、こんな風に受け継がれていくのですね。
増改築費、なかなかのお値段でしたよ。(金額は言えませんが(笑))

家の中をじっくり、ゆっくり見せてもらいました。
ライナー君曰く、「20人ぐらい泊まれますから、どうぞ来て下さい」
これを見て直ぐ来たくなりました。(笑)。完成まで6週間ですって。
家を出るときライナー君が出張先のチェコで買ってきたお土産を私たちにくれました。その時のセリフです。「お土産を買ってきました。つまらないものですがどうぞ」。
「つまらないもの」これには皆一同大笑いです。日本人以上に日本的なライナー。もう最高の友人です。
そのつまらないもの、何だったと思います。
ジュースだったのですが、その名前が「Toma」でした。(笑)

食事に出かけようと市街に出ます。
食事の前にライナーの案でエルベ河で遊覧船に乗ろうということになりました。こういう機転の利いた案も素敵です。
船を出たのが19時50分(まだまだ明るいですよ)小一時間過ごしました。
寒かったのと、眠かったので(笑)私は船の中へ。
何人かは寒い中、甲板で過ごしたそうです。
ということで、私はあまり印象に残っていません。(笑)

電車に乗って食事の場所に近い駅に向かいます。
「レーディングスマルクト」駅です。
そこで見た教会の塔が気になりました。そこで急遽予定を変更。(なかなか食事に有りつけません(笑))
今では塔だけしか残っていないという聖ニコライ教会へ。それが下の写真です。



ここにも戦禍の跡がありました。
集会が行われていましたが、どこか悲しそうでした。(これはきっとお腹がすいていたせいでもありますね(笑))
しかし、戦争の傷跡を見ながら皆もなにやら神妙な顔つきでした。

しばらく歩きます。旧市街地にある「グレーニンガー」というビアホールへ向かいます。21時20分に着きました。
この店18世紀中頃に誕生したという歴史的なビアホール。
店内にはビールの醸造機があるという地下のお店です。



皆も私も喜んだのは言うまでもありません。
しかしです、注文してからビールが来たのは30分も過ぎてから。
ライナーは申し訳なさそうに、「店を変えましょうか」とか「こんなに遅いとドイツ人は怒って帰ります」とか言ってくれるのですが、私は忍耐あるのみです。(笑)
で、やっと出て来たビール。それをいかにも職人といった風に注いでくれたのが下の写真です。





夜遅くなりましたが、ドイツ最後の晩餐です。
皆で楽しく過ごしました。

ハンブルクを去るときが来ました。ということはドイツともいよいよお別れです。
ドイツに着いてから2週間、オプショナル・ツアーを始めて6日目です。
8月21日(土)、ホテルを午前7時30分出発です。
8時10分空港着。
預かってくれていた大きな荷物をライナーが運んでくれています。
いよいよライナーとの別れ。
再会を約束してお別れしました。(ありがとう、ライナー)





11時50分フランクフルト
ここでも買いものに走り回る団員たち。
それぞれに旅行をしてきた人たちもここで再会です。
無事皆会うことが出来てホッとする私です。
飛行機に乗り込み、時差7時間を進めて飛行です。

飛行機の中はもう記憶がありません。(笑)
ひたすら寝ていたのか?それとも眼は開いていながら意識がなかったのか?(笑)とにかく長い長い時間だと怒っている間に関空に着いてしまいました。(笑)
初めてではないのですが、この飛行時間は私には辛いですね。ヨーロッパにはいつでも行きたいのですが、この時間がいけません。(笑)

関空には日本時間の8月22日、午前9時に着きました。

読んで頂きましてありがとうございました。
これでドイツ演奏旅行、そしてオプショナル・ツアーの報告を終わります。
近いうちに「まとめ」<私の感想>といったものを「マイヌング」に書くつもりでいます。ドイツに関すること。音楽に関すること、その他感じたことなどです。
その想いが今後の活動と関係してくるだろうと思っています。



No.568 '04/9/18「ハンブルク、そして帰国」終わり