No.617 '06/06/19

「コーロ羽衣」定演《人が息づく場》


ここ「日記」に書く事って私の歴史、「自分史」です。
また時には、活動の報告として関係者へのメッセージともなっているかもしれません。
その性格上、公開されたものとはいえその内容は「内輪」的なものに見えがちです。
まぁ、それでも良いかも知れないのですが、できれば同じ活動などされていらっしゃる方々への良き情報ともなればと思って書こうとしています。
いらぬお節介、余計な情報ではないかと心しながらの発信です。

昨日、「コーロ羽衣」の第16回定期演奏会が終わりました。
響きの良い、またホール・スタッフの良きサポートもあって素敵な空間でのコンサートとなりました。
「コーロ羽衣」を指導し始めて25年。この定演は26年目へのスタートでした。
私の姪が通っていた小学校のPTAコーラスがその母体です。
姪の母(私の姉ですが)の頼みで引き受けた指導。
女声コーラスを引き受けるのであれば、まったくのゼロからの指導なら引き受けるとの条件でした。
それから25年が経ったわけです。
定演回数が16回、歴史は25年。
ということは、9年間はどうしていたか。
実に、囲いをしての「純粋培養」でした。(笑)

万を期しての第一回定演。
それからの歴史はいくらかの小さな浮き沈みはあったものの、ゼロから私が指導したという意味合いもあってか順調に育ったのではないかと思っています。(統一されての積み重ねという意味です。独裁的ということではありません。念のため(笑))
新しく加わったメンバーも戸惑ったことも多々あったでしょうが、コンサートを通じて良き友人として同じ「音楽(合唱)の道」を歩んでくれています。

ステージ写真1

立ち姿も立派です。
そして歌も、真っ直ぐの気持ちで、スクッと背筋の伸びた歌を歌ってくれました。

団員約30名。30ほどの個性が集まっています。
それを統率しようなんて考えたことがありません。
それぞれの個性があってこその集団です。
個性のぶつかり合いがあるからこそ面白いし、張り合いも生まれ、力強い成果ともなります。
しかし、そこまでいくには実際、いろいろな問題が起こります。
でも・・・・、何があったとしても中心にあるのは「音楽の楽しみ」です。
これが皆と私の「合い言葉」でした。
「本当の面白さ。楽しさ」
そのことが人と人を結びつけます。

結局、行き着くところ
「人」を信じること、このことに尽きますね。
「信じて」事を成す。
「人」それぞれの「達成」を信じる。「能力」を信じる。「人間の可能性」を信じる。
「指導する」という役割を担ってしまっている私(実のところ指導なんてしたくない!一緒に音楽したい、楽しみたいと思っているだけです)が心掛けるのは、団員一人一人が「本当に音楽の楽しみ、面白さ」を識ること、これだけです。
そのためには、「指導」なんかより私が「そのもの」であればいい。
私が楽しく、面白がって音楽すればいいのです。
ピッチを正しくとか、ハーモニーを美しくとか、出は揃えるとか、発声がどうとか、これらは一人一人「音楽の楽しさ、面白さ」と直結していなければなりません。

ステージ写真2

25年の歴史は重かった。
彼女らが本番で見せた「歌」は確かに「私が積み重ねた25年」でした。

「ユニゾン」がいいんです。その中に積み重ねの成果を見ます。

至極あたりまえのことでしょう。年月の積み重ねたものは確かに「人の息づき」として脈々と流れるものなんですね。

演奏会後の「打ち上げ」。
団員たちの笑顔に涙する私でした。
「『ブラボー』が出たね!」と満面の笑みでもって少し興奮気味に話しするメンバー。
せがまれてのアンコールを嬉しい思いで話しするメンバー。
緊張感から解き放たれた顔、顔。
各テーブルごとに大きな声での会話が弾んでいました。

今後の課題は「ア・カペラ」です。と私。
一瞬、引きつる顔たち。(笑)
「『ア・カペラ』のほんとうの楽しみを識ろうよ!」
引きつりながらも笑みを浮かべるメンバー。
次回、更にワンランク上の楽しみに挑戦です。(笑)

(上の写真はメンバーのご主人が撮ってくださったものです。感謝して掲載させていただきます)



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