No.665 '09/07/28

男声合唱団《風童〜Sylph〜》(かぜわらし)創立演奏会


新たに男声合唱団を立ち上げました。
その初めての演奏会を京都府立府民ホール「アルティ」で行いました。創立演奏会です。

私が指揮する「OCM合唱団」、「京都モンテヴェルディ合唱団」、そしての「名古屋ビクトリア」の男声によって構成されています。
しかし、今後はこれらの団体だけに固定したものとは考えてはいませんので、様々な組み合わせでこれからは活動していくことになろうかと思います。
とにかく、先ずは私のメトードを同じくしている団体選抜によるものとしました。
私の意図する音楽が明確に反映できるからとの意図です。
できることならば、大阪、京都だけでなく「名古屋ビクトリア合唱団」の本拠地である名古屋でも開催したいですし、関係地での公演も視野に入れていきたいとも思っています。
要は、立ち上げの意図は「男声合唱」のレパートリーの拡充と新しい可能性を探ることにあります。
これまでの定番の見直しをしてみたいですね。名曲が沢山あるわけですから。

ゲネの写真です。
当たり前ですが、男の世界ですね。(笑)(女声が一名加わっていますが)
ただ、しっかりと言っておかなくてはならないことがあります。
それは「男性」の魅力として立ち上げたわけではないということですね。(笑)
(きっぱりと)「男声」の魅力を探るのです。
深く考えていくと結構難しいことになるのですが、男声の特徴である周波数の低い基音とそれに乗っかる(あるいは含む倍音)構成を再認識した上で、更なる響きの追求を摸索する、ということでしょうか。(難しいですね)
平たく言えば、あの任侠世界や根性物語や男の哀しさ(笑)といった「男の世界の魅力」だけではなく(だけ、というのがミソですからね)、男声特有の響きとその響きによって奏でられる音楽の魅力を追求するということです。 今回、「カウンターテナー」を入れたのもその意を反映してのことです。

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少ない人数でのアンサンブルも追求します。(今回はまだ大人数ですが)

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下の写真は本番でのものですが、男声合唱の初期の様式を再現しようとの試みです。(「ビクトリア」のモテトを歌います)
理想は各パート、1名づつによるアンサンブルですね。ここではパート3〜4名づつでの演奏となっています。

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プーランク「アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」とビクトリア「Vexilla Regis prodeunt(王の御旗が進み)」木下牧子「Enfance finie(過ぎ去りし少年時代)」(ピアノ:木下亜子)の演奏はこの衣装でした。
演奏は冷や汗もののゲネからは想像しがたい安定したものとなりましたね。ほんとう素敵な連中です。私は振り始めた二三小節でもう涙でした。
(しっかりこのページで書き残しておきましょうか。冷や汗ものから聴かせる演奏へと導いたのは「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」のメンバーたちでした。演奏活動も豊富、私とのコンタクトも確実な彼らが本番ギリギリまで格闘していました。自身に対しても、そして他のメンバーに対しても)

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その後の休憩を挟んだ演奏。千原英喜「おらしょ」(男声合唱版)、多田武彦作品集から「柳河」「武蔵野の雨」「最後の雪に」「紀の国」、そしてこのステージのアンコールとして歌った「雨」、最終ステージの千原英喜「カンティクム・サクルム」(第2集)(打楽器:菊 標)は黒へと衣装が変わります。(私だけが変わりませんでした(笑))

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男声合唱団の名前を「風童」としました。
「かぜわらし」と呼びます。「ふうどう」と呼んでも良いかもしれません。
また、欧文として「Sylph」も用意しました。風の精です。ちょっと女声っぽいのですが、見れば男たちの「精霊」だと判って頂けるでしょう。(笑)
今後どう発展していくか、私も楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いします。

【追記】
もう少し立ち上げ理由について、別角度から考えたことを書いておこうと思いました。
こちらの方が私にとっても団にとっても、そして音楽界にとっても、大切なことといっておきます。
こういったことを書くのは歴史認識のためです。書き記しておきたい、責任をハッキリしておきたい。
意図を明瞭にしておかなくてはとの強い思いです。
私の「Meinung」(マイヌング)です。
「マイヌング」『男声合唱団《風童〜Sylph〜》(かぜわらし)に想う』

No.665 '09/07/28「男声合唱団《風童〜Sylph〜》(かぜわらし)創立演奏会」終わり