No.667 '09/08/08

Nコン愛媛県コンクールの感想


「NHK全国音楽コンクール」愛媛県コンクールの審査に行ってきました。
幾つか今年も依頼があったのですが、どれも私のスケジュールと合わず、断念。
唯一、愛媛県コンクールの日時だけが空いているということでお引き受けしました。(少しスケジュールを移動してのことだったようですが)
もう一つお引き受けした理由がありました。
1度「松山」に行ってみたかったのですね。(笑)
以前から松山は「良い地ですよ」と言われていましたし、合唱も私の「感」だけだったかもしれないのですがどうしても聴いておきたい県だったのですね。

少しスケジュールを動かしてでも「行ってみたい」と言った私です。(わがままです)(笑)
行って良かったです!ほんとうに。
期待していくと何でも良く思えてしまうかもしれないのですが、今回はホント納得いくことばかりでした。
松山の空港に着いてからタクシーでホテルまで行ったのですが、このタクシーの運転手さんにまず好感を持ちます。
最初少し取っつきにくい感じがするのですが、話しかけて見るとドンドン話が弾みます。これで先ず私は上機嫌です。
コンクールの感想はもう少し後です。
松山の感想を先にしますね。

何となくノンビリした感じの松山。穏やかですね。土地も人も。
居酒屋へも入りましたが、先ずその接客に好感。〔接客〕についてはこの「日記」の前号で書いたものですから余計に身に染みます。
言葉遣いも良いですし、笑顔も素敵です。受け答えが適切です。つまり話を聴いているのですね(当たり前のことなのですが、それがなかなか感じられないのが多いですから)
同行したメンバー(コンクールを見学したいとコーアマスターと代表、そして明子さん)も同じように感じていたらしく、その「フワッとした」(適切な言葉が見つけられないのですが、攻撃性のような緊張感ではない雰囲気)面持ちが心地よいです。
NHKの方もすこぶる私にとっては好感の方々でした。いろいろお世話になりました、この場ではありますがお礼を申しあげます。「ありがとうございました」

ということで「コンクール」の感想です。
まず結論からです。
私の「感」は当たりました。とても驚きの好感度抜群のレベルでした。それも小・中・高全部です。
来て良かったです。確かめられて良かったです。愛媛県内という地域的なものかもしれませんが、これは誇るべきものだと思います。
関係者の方々にとってはまだまだ、いろいろと頭を悩ませる事柄もあるかと思うのですが(事実、少しそのような事も今回伺いました)、もっと自負をもって前進されることを願います。
この後の課題、問題点は後で書きますが、まず好感度抜群の理由。
それは「明るい声」そして「自由な歌いっぷり」、大人の変なコピーではない真摯な志向、そして郷土風とでもいうのでしょうか「ギスギス」したところを感じさせない「歌心」がなんといっても良いです。
皆、「歌が好き」です。それを強く感じました。(「好き」を感じさせない「歌」を多く聴いてしまう私。「歌が好き」ではなくそれよりも他のものが「好き」なのでは?と思ってしまうことが多いのですね)
今回どの部門にも感じたのですが、「言葉」を大切にしなければ、という思いが伝わってきたのは嬉しかったです。
ただ、思ってはいるが「結果」には繋がらなかったというのはあるのですが。(笑)
今後はそのテクニックをどう身につけるか? ですね。
それからもう一つ提案を。これが重要ですね。
「声を前に飛ばす」、これが不足です。
声量の問題、力業(ちからわざ)と受け取られるかもしれませんが、そうではなく「声の指向」そして「響き」の作り方です。それが表現力とする「思いの強さ・変化」として現れます。
これがあればどんなホールでも、人数の大小にかかわらず「飛んで来る声」が実現します。



こちらでも「価値の転換」が起こっているのかもしれません。私は喜ばしいことだと感じています。

均一性ではなく、多彩性です。

まだまだ「均一性」を保ってこれまでの王道を進む方向性もあるのですが、そういった中で意識的にか偶然なのか(それとも練習不足か(笑))、不統一でありながら自然な(作り物でない)歌が流れています。
良い傾向だと私は感じます。
これらがもっと洗練され、歌う子ども達の「自立性」が養われ、「芸術性」への多角的な見方の実践となれば、子ども達の心の豊かさはどれほどになるでしょう。
私はこの松山でそれを夢見てしまいました。

コンクールであるわけですから、愛媛事情だけではことは解決しません。これから四国ブロックがあり、そして全国へと上がっていくことになります。
競い合うわけですから、順位が付けられます。
これは現実には仕方のないことなのですが、ここ「松山」での愛媛の歌声は私を大いに楽しませ、夢を見させ、そしてエネルギーを頂きました。
まだまだ「可能性」は山とある。そんな出会いでした。素敵な音空間でしたね。

コンクールが終わり、審査室に戻ってきて思わず私が放った言葉。
「全学校、全曲振ってみたい」でした。
私が振ったら・・・・・・・どうなっていたでしょうか・・・・・・。(笑)

ここで聴いた数々の「歌声」がもっともっと広く響き渡っていきますように・・・・・・・願っています。



No.667 '09/08/08「Nコン愛媛県コンクールの感想」終わり