町のあちらこちらで、にぎわしくクリスマスという活字にお目にかかる機会が多くなりました。
私の趣味でしょうか、Christmasと書かれているよりはX'masの方が心が騒ぐのを覚えます。両親からのプレゼントによくこの字が書かれていたせいかもしれません。
Xmasと書くのはChrist(勿論イエス・キリストのこと)を意識的に取り去ろうとしてのことだと怒る人もいるのですが、ギリシャ語でキリストの意味を表すこととしてXが使われることもありますから間違いではありません。この表記はすでに12世紀頃には使われていたそうです。しかし広告のチラシなどにあるX'masというアポストロフィーを入れるのはどうでしょうか?これは間違いだと思います。
キリスト教国ではないわが国で、これほど、異文化の行事が人々に浸透した例は他には見当たらないのではないでしょうか。
1878年「西洋のクリスマスという耶蘇の祭日、この祭日は、本邦の氏神祭と雛祭りと福引きを一つにしたる様な習慣なり」と書いた雑誌があったそうです。わが国でも早くから知られ、関心を持たれていたと思われます。
以前、大阪ハインリッヒ・シュッツ合唱団は聖歌隊ですか?とよく聴かれました。
私が教会のオルガニストであることや、教会での演奏会、キリスト教の音楽をレパートリーとしているものですから、この質問は当然のことと思われます。
聴衆の方々から少し認めていただき始めた頃には「信者さんは多いのでしょうね?」というお尋ねに代わりました。
大阪ハインリッヒ・シュッツ合唱団の団員で現在教会員、いわゆる信者さんは4〜5名だと思います。
バッハの「ヨハネ受難曲」「マタイ受難曲」を初めとするバロック音楽に魅せられて始まった合唱団が、バッハをもっと深く、そしてドイツ音楽をもっと知りたく、歴史を更に遡っていった結果がドイツ音楽の父といわれた「シュッツ」の音楽との出会いであり、ヨーロッパ文化の様々な変遷において生まれた多くの知られざる曲でした。
私たちの演奏のモットーは作曲家のメッセージをいかに伝えるかです。
そしてその作品が生まれた時代を知り、人々の精神に思いを馳せることです。
今日私たちが演奏するクリスマスの曲は多くの人々が大事に受け継いできた傑作の数々です。
全世界の多くの人々はこのクリスマスの時期に希望と感謝と平和を永きにわたって願ってきました。
今日私たちの思いが、そして祈りが、皆さんに心からのメッセージとして伝えることができる、それが私たちの何よりの喜びです。
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