10月19日 10月17日


いきなり妙なタイトルだが、別に間違いでは無い。
ただ単に10月17日のことを書くのに、適当なタイトルが思いつかなかっただけなのだ。
今回は珍しく日記らしい日記(か?)である。

まずいきなりだが、徹夜である。なんだか知らんが眠れなかったのだ。
この日は和歌山バッハコールの演奏会を聞きに行くので、早く寝るつもりだったのだが。

朝9時に起きて、10時頃出発という予定を前の晩に立ててベッドに入るが眠れん。時々こういうことはあるので、まぁそのうち寝るだろう、と思っていたが、3時になっても4時になっても眠れない。困った。
5時になったあたりで突然バッハの「ヨハネ受難曲」が聞きたくなった。リヒター指揮のやつ。
何故に?と思われるだろう。私もそう思った。しかし聞きたくなったものは仕方ない。いそいそとCDプレイヤーにCDを入れた。
聞いてる内に眠くなるべ、と考えたが甘かった。見事に全曲通して聞いてしまった。

やっぱいいねぇ、などと思いつつ時計に目をやると7時。もう一回寝ようと試みるが、やはり眠れない。
8時になった時点であきらめ、起きることにする(寝てないが)。
この時すでに頭の回路はボロボロであった。9時起床の予定が、9時出発に勝手に切り替わっていた。
かくして私は、徹夜でボロボロの頭と身体を引きずり、和歌山に向かったのである。

京阪電車でとりあえず大阪へ。電車の中でも眠れない。頭がボーッとしている。こんな時考えるのは、いたってしょうもないこと。

「本山という地名に、山本山があったら、山本山本山店かなぁ。」

などと不毛なこと、この上ない。

京橋で降りて、腹が減ったので朝メシを食うことにする。向かったのは吉野屋。納豆定食を頼もうと思っていたのに、口が勝手に、並と卵と味噌汁を告げる。もうダメだ。
この日の京橋は、やけにユニセフ募金の人達が目に付いた。

JRの紀州路快速に乗り和歌山へ向かう。淀屋橋から地下鉄で難波、そっから南海電車という手もあるが、京橋からJRの方が若干安いのだ。40円だけだが(笑)。
この電車の中でも頭の中は不毛だ。頭の表面が不毛よりはいいが。

「山本さんが山本山にのれんわけしてもらったら、山本山本山かなぁ。さらにそれの本店が本山にあったら、山本山本山本山本店‥‥」

我ながらあきれる。

それにしても、電車の旅は良い。難波より南は演奏会とかが無いと行かない。南に行くにつれ、風景が縦長から横長になり、時間がゆっくり流れてるような気がし、看板はシュールになる。実に楽しい。

12時頃JR和歌山駅に着く。ここに至ってようやく出発時間を間違えたことに気づく。遅すぎ。
まぁしょうがない、とばかりに演奏会場の「きのくに志学館メディアアートホール」とやらに向かって歩き始める。

それにしても休日の和歌山、人が少ねぇ、店が開いてねぇ、やけに広ぇ、の三拍子。言っちゃなんだが田舎だ。でもそれが私にとっていい塩梅なのだ。
なんだか楽しくなってきた。徹夜のナチュラルハイもあるだろう。ルンルン気分でけやき大通りを歩く。スキップしたりもする。怪しいぞ私。

途中に和歌山城がある。時間もあるし、中を通っていくことにする。家族連ればかり。京都で言えば御所みたいな所なんだろう。動物園なんかもあった。カンムリヅルとオオヅルを見て喜ぶ。クマは出てこなかった。
駐車場出入り口から外に出ると、空車待ちの家族連れ車が長蛇の列を作って待っていた。休日はここしか来る所が無いのかと思うと、ちょっと哀しくも面白い気分になった。頑張って家族団欒してくれ。

「きのくに志学館」は思ったより遠かった。道中、店はコンビニくらいしか開いてない。やけに医者と、携帯電話の店が目に付く。それも閉まっている。
圧巻だったのは、イズミヤ跡だ。巨大なイズミヤが閉店してそのまま廃墟。潰すでも無く、新しい店舗になるでも無く‥‥。変な迫力があった。でも無くなって困った人多いんじゃないかな、この辺ホント何もないし・・・。

時は13時。道路標識に「きのくに志学館」の文字が現れた。歩いていた道から右に曲がるらしい。近づいた事が判明したので、開場時間(14時)まで時間を潰すべく見えているコンビニに向かって道を直進した(つまり一旦志学館への道を通り過ぎるのだ)。
ところが見えているのになかなか着かない。見通しが良すぎるのだ。5分以上かかった。歩き疲れていたので、ちょっと後悔した。
そのコンビニは、どっちかというとミニスーパーって感じで生活密着型だった。あまり長居できそうにない雰囲気だったので、パンと紅茶を買って早々に出た。

来た道を戻り、志学館への道へ入る、とそこにはポルノ映画館!こんな道に面した、子供が遊び回る所、しかも「志学館」とやらの近くに!いいのか?
しかしある種の感動も覚えた。こんなレトロな雰囲気の映画館、しかもポルノ映画館、まだあったのかぁ‥‥的な感動だ。
でもこんな所にあって誰が見に来るんだ?やっていけるのか?
と、余計な心配もしてしまった。

志学館に着いてしまったが、開場にはまだまだ時間がある。私は志学館内外を所在なげにうろつく怪しい男と化していた。
志学館の横に、謎の石碑。「経済学部発祥の地」。和歌山大学経済学部発祥の地らしいが、特別な事があったわけでもなさそうだし、わざわざ作らんでも‥‥と思った。こんな石碑も心身ボロボロ状態の私にとっては面白可笑しい。

どうでもいいけど長いなぁ・・・この文・・・。続きはまた書き加えることにしてひとまずアップしよう。

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