歌う。


気がついたら5人だった。京都モンテヴェルディ合唱団のベースの話である。なんやかやあって、今度の演奏会にのるのは現時点で5人なのだ。
前の演奏会の終了時点では10人居た。さらにその後、新入団員が2人入った。なので本来12人居るはずだが、今は5人だ。なんでやねん。

年度末から年度始め。仕事は忙しい。新生活も始まる。その他にも個々それぞれに事情はある。音楽に時間がかけられない事だってある。仕方がないといえば仕方がない。しかしこんだけ重なるとさすがにヘコむ。

ま、でも自分のやる事は一つしかない。歌うこと、それだけ。

しんどいし、やることは一杯だし、逃げ出したいな、と思うこともある。
しかしこんな僕にも、声を合わせてくれる仲間達がいる。父親のような年の人が必死に僕に合わせようとしてくれる。うまくなりたい、とアドバイスを求める後輩(?)達がいる。酒を飲んでいつまでも音楽の話ができる友達がいる。まだまだな僕を鍛えてくれる先達がいる。そして「歌ってる時が一番カッコいい」と言ってくれる彼女もいる。

そして演奏会を心待ちにしている人たちがいる。ステージに立てば、口をあんぐり開けたまま聴いている学生さん、泣きながら聴いているおばちゃん、うなずきながら聴いているおじいちゃん、色々な人たちが目に入る。演奏が終われば暖かい拍手を贈ってくれる。

こんな人たちが居ることを思うと、歌うことはやめられない。

世の中には歌いたくたって歌えない人もいる。仕事の都合や身体的事情。他にも人それぞれに本当に色々ある。歌える状況にある自分は幸せだ。ちょっとしんどいくらいで、歌うことを止めたら失礼だ。

しかし何より僕は歌うことが好きだ。歌っている時がやっぱり一番楽しい。だから歌う。それだけ。
しんどいし、疲れるけどね。まだ頑張れる。

さ、明日も練習だ。

04.4.6

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